ネットニュースの記述の中で、最近、なんか気持ち悪い表記法がある。
例えばこれ。
村上世彰氏ら取締役選任に6割反対し否決…「想定通り」「まだ保守的」 かつて村上ファンドを率いて「物言う株主」として知られた村上世(よし)彰(あき)氏ら4人を社外取締役に選任するよう株主提案を受けた電子部品商社の黒田電気は21日、大阪市内で臨時株主総会を開いた。 …… |
この、「村上世(よし)彰(あき)氏」というところ。
「村上世彰(よしあき)氏」
ではなく、
「村上世(よし)彰(あき)氏」。
1文字ごとに読み方(ふりがな)を書いている。
産経だけなのかもしれないが、最近、こういう書き方にたまに出会って、どうにも気持ち悪い。
で、ちょっと考えた。
この気持ち悪さは、もちろん読みにくいとかいうこともあるが、そもそも、新聞社が彼の名前の漢字を「世=よし」、「彰=あき」と読むのだと勝手に決めつけているということに由来するのかもしれない。
そもそも戸籍上、人名の漢字と読み方に関連はない。
「戸籍法規則で人名に使える漢字は決まっているが、読み方には決まりがない」
というところから来ている。決まりがないからDQNネームのような無法地帯も生まれる。
「主人公」と書いて「ひーろー」と読む名前なんてのは、どの字にどの読みを当てるなんてことを言えるものか。
あるいは例えば「百舌鳥=もず」なんてのを名前にした場合、どういうルビの振り方をするつもりか。
結局、人名は名前全体に対して全体の読み方がある、ということが正しいのであって、漢字それぞれに読み方(ふりがな)を当てるという考えは、少なくとも日本の戸籍上にはない。
そもそも戸籍簿には「読み方(ふりがな)」は記載されていない
出生届にしても、こう↓だ。
出生届では漢字それぞれに読み方が求められているわけではない
というわけで、上記産経新聞がやったように、人名に対して「村上世(よし)彰(あき)氏」といった形でふりがなを分割するのは、「読みにくい」とかそういう感覚的な問題以前に、端的に「間違っている表記」というべきなんじゃないだろうか。
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- 豚足の唐揚げ
本日のBGM:
最後の果実 /深田恭子
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