昨日のエントリで『美味しんぼ』を漁っていて、変なことに気づいた。
以前、「坦々麺って何?」というエントリで、「たんたんめん」というメニューは「坦々麺」ではなく「担々麺」だ、という話を書いた。
もともとは天秤棒で担いで売り歩かれたものだから「担ぐ」で「担々麺」だと。担ぐので汁はない。こぼれるから。
つまり現在「汁なし担々麺」と呼ばれるのが、いわゆる「担々麺」のルーツとなる。
で、『美味しんぼ』にはこの、担々麺のルーツに迫る回があった。それが『美味しんぼ (85) 』「坦々麺のルーツと元祖<前編><後編>」。
そう。
タイトルからしていきなり「坦々麺」だ。
『美味しんぼ (85) 』「坦々麺のルーツと元祖<前編>」
タイトルだけではなく、全くぶれることなく、「坦々麺」で通している。
ではこの話が「担ぐ」というルーツを押さえていないのかといえば、そんなことはない。だいたいこの話はまさに「坦々麺のルーツと元祖」を探る話なのだし。
「麺売りが天秤で担いで売って歩いたものなのです」
だと。ちょっと見えにくいだろうから、アップにしてみる。
「そうです。坦々麺の”坦々”とは担ぐことです」
へ……??
いやその……。
「坦々麺の”坦々”とは担ぐことです」!?
なんかもう、よくわからん。
この回ではタイトル通り、「坦々麺」のルーツが語られる。元々担いで売り歩いた汁なし麺は、日本で日本人の口に合うように汁を加えて新たに作り出された、というのだ。そしてそのアレンジを加えた人物こそ、陳建民。「中華の鉄人」陳建一のお父さん。
つまり「汁あり」の担々麺は日本で生まれた料理なのだと。
うむ。
いや、それはいい。
しかしやはり気になるのは、どうして「坦々麺」と表記しているのかだ。
例えばここに、「この料理を”汁なし”の担々麺と区別をつけるために『坦々麺』と表記するようになった」といった理由がもしついていれば、まあ納得する。
しかしそんな記述はない。
字については前述の「そうです。坦々麺の”坦々”とは担ぐことです」という部分しかない。
こんなん納得する人いますのか?
いやひょっとしたら実際に陳建民が「”汁なし”の担々麺と区別をつけるために『坦々麺』と表記する」みたいなことをしたのかもしれない。そうだとすれば少なくとも「汁あり」の担々麺については「坦々麺」の方が正解ということになるだろう。
そしてここではそれを記述するのを単に忘れただけ、かもしれない。
それはないとはいえない。
あれだけ「正統」が大好きな『美味しんぼ』がこういう部分をミスることがあるだろうか?という気もする。だから正直、不安だ。(^O^)
でもやっぱり、この説明では納得できないんだよ。
一体どうなっとるんすか? いやほんと。
突然食いたくなったものリスト:
- 華燕の坦々麺(ここも「坦々麺」と書いてる)
本日のBGM:
March Of Time /HELLOWEEN
2 個のコメント
ドモです。
要するに、店側の商品名が「担々」であれば「担々」が正しく、たとえ間違いで有ろうとなかろうと「坦々」であればそれを引用するべきでなないかと思いますです。
https://twitter.com/#!/tantanmenbot
ご存知でしょうが。
そう思います。だからこそ(個別の店による独特の表記ではなく)一般名詞としての「たんたんめん」の表記に限定して考えているわけです。少なくとも『美味しんぼ』は一般名詞として「坦々麺」という文字を使っているはずで。
そして陳建民が独自に作った「たんたんめん」について、ひょっとしたら彼自身が「坦々麺」との表記をあてたのかどうかにも言及したわけですね。作った彼が決めたのなら一般名はやはり「坦々麺」となるわけでしょう。
ちなみに華燕は困ったことに、メニューでは「坦々麺」、幟などでは「担々麺」と表記しています。こだわっていないか、両者の違いに気づいていないのかもしれません。
しかしそのbot、けっこうウザいですよね。(^O^)