店のつけ麺はインスタントつけ麺に勝てるのか

 最近、ふと思ったこと。
 
 インスタントつけ麺が凄いと思っている。
 
 先日食べたのは、マルタイの「平打つけ麺 魚介豚骨」。
 ダイエーで、192円だったのが見切りで100円で売られていたので気が向いて買ってみた。

 マルタイといえば棒ラーメン。これもそうだ。
 2食の棒状の乾麺と粉末のスープ。構成はこれだけ。
 
 さすがにどうなのかとは思った。特に粉末のスープだけで「魚介豚骨」が再現できるのかと。
 
 しかしこれが杞憂で、粉末だけでそれなりの再現度がある。正直、このレベルのものを出している店も普通にあるように思う。
 麺は平麺だったが、これもいい。
 強いて言えばつけ麺にしては少し短いだろうということくらいで、麺の質として特に問題になるようにも感じなかった。
 
 これが1食50円、通常の価格で買っても1食100円で食べられるなら、これを普通の店のつけ麺が超えることはなかなか難しいように思う。もちろん店のつけ麺の原価は麺以上に具だということはわかっているから、それはそれで別に考えなくちゃいけないんだけども。
 
 あるいは最近のコンビニの冷凍つけ麺もかなりいい出来だ。セブンイレブン、ファミリーマートの冷凍つけ麺は、「うまい」と言っていいほどの出来で200円弱。
 
 これらはいずれも「魚介豚骨」「濃厚豚骨魚介」「魚介豚骨醤油」という、「またおま系」と呼ばれるフォーマットだ。「またおま系」というのは「またお前か」というくらいありふれてしまったつけ麺のつけ汁の味で、私自身はさほど好きというほどでもないが、それでも普通にうまい。まあだからこそ流行したのだろう。
 
 「豚骨魚介」のフォーマットはここまでのお手軽なものになった。こんな状況の中、本当につけ麺の店は勝負できるんだろうか。
 
 前述したように、これらのつけ麺は何も知らされずに店で出されても不思議に思わないレベルだと思う。少なくともこのレベルのものを出している店は多い。
 
 となると、つけ麺を店で食べる意味というのはどこにあるのか、とふと考える。
 
 もちろん店という「場」で食べるという意味はあるとして、それ以外で考える。
 
 すると、結局店で食べる意味というのは、一定レベルの品物というのはもちろんとして、肝心なのはその店の「姿勢」ではないかと。
 何度も書いている「麺の扱い」など、「麺を食べる」ということをどう捉えているか、どう食べさせたいかといった、明確な「完成形」を目指してものを作っているのかという部分が、店で食べる価値であるように思う。
 
 逆にいえば、それのない店はこれらのインスタントラーメンにも勝てないということだ。
 
 ハードとしてのインスタントつけ麺は、店のつけ麺のそれと見劣りしないレベルまで来た。とすればあとは麺をどう仕上げるか、どう食べさせるかというところに店としてのアイデンティティが出るのだと思う。
 
 あ、もちろん、これらのインスタント麺を遙かに凌駕するハードを作る、という王道もあるわけだよ。それが一番喜ばしい。


突然食いたくなったものリスト:

  • チョコレートピーナッツ

本日のBGM:
La Soldier /Tommy heavenly6





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