袋麺の作り方

 またインスタントラーメンの話になるんだけども。
 
 先日、袋物のインスタントラーメンを作ってて、ふと気がついたことがある。
 私自身にはなかなか衝撃で、twitterにも上げたし友人に話したりしたのだが、反応はあんまり。常識なのか、それもともあまりに取るに足らないことだったんだろう。(^^;;;
 インスタントラーメンをひたすら作って食べてそれをブログに上げている人もいるし、もちろんそういう界隈では当たり前の話なのかもと思うが、そんなにみんな知ってるのかなあ……。

 衝撃を受けたのは、袋物のインスタントラーメンのパッケージの裏に書かれている、ラーメンの作り方だ。
 これは実は決まったやり方があるわけではないのでどのメーカーもあくまで「一例」扱い。「おいしい作り方」「召しあがり方」「調理方法」など、書き方も各社まちまちだ。
 
 で、この調理方法、パッケージに書かれてはいるがほとんど見ることはいないだろう。カレールーと同じく、見なくてもだいたい普通に作れるから。
 
 それを先日、ちょっと注意深く見てみた。
 それで発見した。
 
 この調理方法が、商品によって違うのだ。
 
 「調理方法」にはいくつかのパターンがあるのは知っていた。しかしきっとメーカーによって違うんだろうな……という程度に考えていた。
 しかし、同じメーカーでも商品によって違うということに気づいて、私は驚いたわけですよ。
 誰も共感してくれないんだけど。(^^;
 
 「商品ごとに違う」というのはちょっと大げさか。
 少なくとも3種類の作り方が商品によって書き分けてられている。
 
 そこで、ちょっと気が向いたので、スーパーに行った時にインスタントラーメンの裏を見てどのラーメンにどの調理法が書かれているか調べてみた。
 
 もちろん各社細かい違いはあるが、大きな違いは麺を茹でてからどう粉末スープと合わせるかだ。
 
【A】スープ別作り
 たっぷりの水を沸騰させ麺を茹でる。茹でている間に丼を用意しその中に粉末スープを入れておく。麺が茹で上がったらその煮汁でスープを溶かし、できあがったスープの中に麺を入れる。(余った湯は捨てることになる)
【B】茹上がり後投入
指定の量の水を沸騰させ麺を茹でる。茹で上がったら火を止めて鍋の中に粉末スープを投入し、混ぜる。
【C】スープ煮込み
指定の量の水を沸騰させ、麺と粉末スープを一緒に入れて茹でる(この時、野菜などの具も一緒に入れるものもある)。
 
 みんながよくやってる、「茹で湯は捨てて、スープは新しい湯で作る」という調理法は見る限りなかった。
 あるいは食器を洗うのが面倒ってことでこれまたよくやる「丼を使わず鍋から直接食う」ってのは【B】か【C】のバリエーションってことになるかな。
 
※ちなみに以前、「ラーメン「珍道具」」で紹介した「そのまんま丼」なんてのは、そんな食べ方にぴったりだね。(^O^)



 今回は私がスーパーなどで見て調べた。(^^;
 実はネットでも調べてみたんだけど、あまり役に立たなかった。
 食べたラーメンと一緒にパッケージをアップしている人は多いけど、裏面までアップしてる人は極端に少ない。あるいはラーメンのパッケージのコレクションをしている人ですらそう。パッケージの裏面はどうやら極端に興味を持たれないようだ。
 
 結果は以下の表のようになった。
 

【A】スープ別作り 【B】茹上り後直接投入 【C】スープ煮込み
サンヨー食品
サッポロ一番
カレーラーメン
とんこつラーメン
塩とんこつラーメン
グリーンプレミアム 0(ゼロ)

サッポロ一番
しょうゆ味
みそラーメン
塩らーめん

日清
ラ王
出前一丁
日清のラーメン屋さん
PBくらしモア ラーメン
 

明星

中華三昧
チャルメラ
究麺
評判屋
チャルメラちゃんぽん
チャルメラあんかけラーメン
エースコック
ワンタンメン わかめラーメン
東洋水産
(マルちゃん)
正麺
PBセブンゴールド金の麺
  カレーうどん
ハウス食品
  好きやねん
うまかっちゃん
 
テーブルマーク
  だしがきいているシリーズ  
寿がきや
  すがきやラーメン
台湾ラーメン
奈良天理醤油ラーメン
徳島製粉
  金ちゃんラーメン
徳島ラーメン
 
麺のスナオシ
  サッポロラーメン  
藤原製麺
  動物園シリーズ  
農心
    辛ラーメン
イオン(PB)
麺とスープにこだわったシリーズ 味わいシリーズ
もちっとした太麺シリーズ
マー油豚骨ラーメン
台湾ラーメン
 
マルタイ
  即席マルタイラーメン  
サンポー
  博多とんこつラーメン  
五木
  火の国熊本とんこつラーメン  

 
 同じメーカーでもこんなふうに書き分けているからには、やっぱり「これはこう作ってほしい」「こっちの方がおいしい」というメーカーの意思が込められているのだろう。
 
 【C】スープ煮込みは野菜や具などと一緒に煮込みたい時にやるやり方で、この中ではちょっと特殊と言えるかもしれない。あるいはこういう食べ方に合いそうなサッポロ一番塩らーめんエースコックワンタンメンがそういう設定でないのは意外といえば意外。
 
 ラ王究麺正麺など、「まるで生麺」を標榜した少し高級な製品はすべて【A】スープ別作りとなっている。高級インスタントラーメンの雄中華三昧もこの作り方。
 
 それに対して日本で一番売れているサッポロ一番ブランドは人気3品目(みそラーメンしょうゆ味塩らーめん)がすべて【B】茹上がり後投入。となっている。
 
 また、そんなに袋麺の製品展開のないメーカー(ハウス食品など)のラーメンの多くは【B】茹上がり後投入。また最近よくある、スーパーとかで一番安く売られているPBのような廉価版のラーメン(ここでいえば日清PBくらしモア ラーメン明星評判屋など)も【B】茹上がり後投入になっている。おそらくがこのやり方がインスタントラーメンのスタンダードな作り方ということになるんだろう。
 
 ただ、同じサッポロ一番ブランドでも、トップ3以外のカレーラーメンとんこつラーメン塩とんこつラーメン【A】スープ別作りとなっているのは興味深い。これらは特に高級展開しているわけでもないわけで、このあたりの分け方はどういう意味があるんだろうなあ。
 
 サッポロ一番のライバルである定番商品チャルメラ【A】スープ別作りだというのも、サッポロ一番との対比があって面白い。他メーカーの【A】は比較的高級志向のラーメンである中、異彩を放っている。

 前述のように、もちろんこれらは「調理の一例」でしかなく、こうしろというものではない。実際、ネットでもパッケージ裏面の画像がほとんど見つからなかったことで想像できるように、たいていの人は興味すら持っていない。私自身、この違いがあることにやっと気づいたし、これまで興味は持っていなかった。
 
 なのでこれらにあまり大きな意味を見出してはいけないのだろうとは思いつつ、ここに少しだけメーカーの「気持ち」を見たようで面白かった。

 文中に書いたように、丼にあらかじめ粉末スープと熱湯でスープを作っておいて、麺が茹で上がったら茹で湯は捨てて麺だけを投入するという「作り方」を書いているラーメンはない。スープの味のシャープさを残すにはそうした方がいいはずだが、わざわざお湯を2つに分ける手間をかけさせるのに抵抗があるのではないかと推測する。
 
 ……ただ、そう考えるとまた興味深いことがある。
 
 最近のマルちゃん 正麺の大ヒットで袋麺市場が再び活性化した。それ以降、正麺ラ王ブランドを中心に、ラーメンだけでなく冷やし中華、うどんなど多くのバリエーションの袋麺が発売されている。マルちゃんなんて袋麺はほとんどなかったのに、このヒット以降、袋麺市場に対してやたら積極的だ。(^O^)
 この流れで正麺ラ王、のつけ麺も発売されている。
 
 想像していただくとわかるように、つけ麺は他のインスタントラーメンに比べて調理法が違う。
 茹でたあと、麺を冷やさ(洗わ)ないといけない。
 行程が多いのだ。
 
 それでももし普通の袋物ラーメンのように「わざわざお湯を2つに分けて作らせる手間をかけさせる」ことを避けるとすれば、【A】スープ別作りのように茹で湯の一部をつけ汁に使い、残りの茹で湯を捨ててから麺を水で洗うようにすればいいはずだが、正麺ラ王のつけ麺はいずれもつけ汁は別に用意した熱湯で作る、となっている。(上記表にはつけ麺は入っていない)
 
 多分、「水まで使って行程が増えるようなインスタント麺をわざわざ食ようって人なら、そのくらいやってくれるだろ」とか考えてるんだろうなあと、これも推測だけど(^^;、そう思う。

 徳島製粉金ちゃんラーメンの作り方の具に関する記述。
 
 「②ラーメンとあり合わせの野菜を加え2~3分間煮立ててください
 
 「あり合わせ」ってわざわざ書くのが微笑ましい。(^O^)

突然食いたくなったものリスト:

  • スイートポテト

本日のBGM:
Heavy Chains /LOUDNESS





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