ダメだと思った理由1

 先日の「加水率100%?」というエントリで、
 
今年の5月3日、『京都B級グルメ覇王決定戦』という番組が放送された。これは1月19日に放映された『大阪ラーメン覇王決定戦』の続編にあたる番組。私はこの両番組はかなりヒドかったと思っているが、その話はまたいつか書くこともあるだろう
 
 と書いた。


 これについて、このブログの読者の方からどういうことなのか聞かせてほしいというメールをいただいた。
 実は他にもリアルに会ったラヲタの友人から感想を聞かれたこともあったし、この番組についてブログに書かないのかと言われたこともあった。なので今回、せっかくメールのお返事を書いたわけだし、それをベースにしてこの番組(『大阪ラーメン覇王決定戦』)について私が思ったことを書いてみようと思う。
 『大阪ラーメン覇王決定戦』について聞かれたので『大阪ラーメン覇王決定戦』メインで書いている。『京都B級グルメ覇王決定戦』については後半に箇条書きしてみた(これは次回のエントリで)。
 楽しかった部分とかは今回は省略。どうしてダメと思うかという部分を中心に書いた。
 
※一応念のため。「個人の感想です」。(^O^)
 
 まず、出演したラーメン店主たちが真剣に戦ったことは疑っていないし、戦い自体は概ねよかったと思っている。私自身も番組自体はそこそこ楽しんで見た。これは強調しておきたい。(^O^)
 特に一番最後の決勝戦が「こってり」の解釈の違いで決したことは、かなり興味深かった。
 
 ただ、むしろ彼らが真剣だっただけに、こんなやり方の番組でいいのかと思うことが多かった。
(そもそも「勝負」という形態そのものが……という意見もあるが、とりあえずここではそれはおく)
 
 この番組で、一番「ガチンコの真剣勝負」を台無しにしたのが審査だと思う。
 トーナメントで争うこの試合の勝負は、3ポイントのうち2ポイントを先取すれば勝ちとなる。1ポイントが「100人オーディエンス」の多数決、1ポイントが「辛口芸能人」の多数決、1ポイントが「関西料理界トップ3」の多数決。
 最初の「100人オーディエンス」は、まずこの100人の人たちが誰なのかもまったく説明されない。本当は紹介されていたのだろうが編集でカットされたもよう。視聴者に知らせる必要がないと判断されたわけね。ウォーカープラスの宣伝文によると「体育会系男性、モデル系美女、ニューハーフなど100人」だそうだ。採点はまずこの人たちがする。基準は「どちらが食べたいか?」。そう、食べもせずに決める。これが全体の3分の1の重みを持つ。こりゃひどいわ。
 そして「辛口芸能人」は間寛平、辻本茂雄、叶姉妹、円広志、石塚英彦、MEGUMI、中尾彬・池波志乃夫妻。叶姉妹はこれまでラーメンを食べたことがないそうだ。間寛平、辻本茂雄は選手として出場したシャンプーハットてつじの事務所の先輩。これが1人ずつ順番に美味しいと思う方を選び、多い方が「辛口芸能人」ポイントとなる。この「順番に」というのがクセモノで、みんな同時には投票させない。でもこうすると自分までの審査の流れを読んで、より番組として面白くなる方に上げるという余地が残ってしまう。それを実際にやったかどうかは別として、それが「できちゃう」状態であることは、審査のフェアネスを甚だしく疑わせる。
 審査員は「選びに選びぬいた」らしい。しかしそう思わせるのは「関西料理界トップ3」だけだった。門上武司(料理雑誌『あまから手帖』編集顧問、『魔法のレストラン』ブレーン)、村田吉弘(「菊乃井」ミシュラン3ツ星)、佐々木浩(「祇園さゝ木」ミシュラン2ツ星)の3人。門上武司氏以外はラーメンを食べ慣れているとは思えないけど、「100人オーディエンス」「辛口芸能人」に比べれば抜群の信頼感だ。
 審査は「100人オーディエンス」⇒「辛口芸能人」⇒「関西料理界トップ3」と進み、最初に2ポイント取ったらその時点で勝負がつく。ということは、毎試合、「100人オーディエンス」審査と「辛口芸能人」審査は必ずある。対して一番マトモなはずの「関西料理界トップ3」の審査は前2審査が割れない限りまわってこない。つまりこのいい加減な「100人オーディエンス」「辛口芸能人」の審査だけで勝負が決まってしまうことも大いにあり得るわけだ(実際あった)。そりゃいくら何でも真剣にやってる人たちに失礼だろう。
 
※ただし決勝戦だけはポイントが違った。決勝戦は生放送で、準決勝からは仕切り直しになったのだ。
 準決勝で敗れたラーメン店主6人と円広志(当日の司会)の7人の多数決で1ポイント、「関西料理界トップ3」に山口浩(神戸北野ホテル)が加わった「関西料理界四天王」がそれぞれ1ポイントずつ合計4ポイントを持つ。この全5ポイントのうち3票以上取った方が勝ち。
 店主の中に円広志を入れたのはラーメン店主だけだと6人で偶数になってしまうからだろう。そして山口浩氏を入れて「関西料理界四天王」にしたのも同様の理由だと考えられる。
 こちらの審査はいいと思った。
 
 審査については他にも疑問が残る。いやそもそも何を審査したいのか。
 
 トーナメントの1stステージ(龍旗信×宮田麺児、彩々×金久右衛門、カドヤ食堂×メン太ジスタ、ラーメン人生JET×Cliff)は店で出しているレギュラー麺での対決だったので、まだよかった。
 
 しかし2ndステージ以降の、対戦「テーマ」って何なんだ(新作)。
 それによって何が量りたかったのか。
 ラーメン店主個人の創作能力なのか。店主個人の料理の腕か? 店で出していない「新作」で勝負して何の意味があるんだろう(この時に作った麺をその後限定で出した店もあったが)。カドヤ食堂金久右衛門に「こってり」を作らせるのだったら、「こってり」味のラーメンで実際に店を維持している他の店の方がおいしいという余地は充分にあるだろう。
 
 勝ち負けをはっきりとつける「勝負」である以上、「何を量るのか」はあくまでも明確にしておかないといけない。各ラーメン店主はみんな勝つ気で来ている(そして出場することによる宣伝メリットがある)はずだが、それでもそれぞれ必ず「公衆の面前で負けるリスク」を背負った上で真剣に勝負しているのだから、そのリスクに見合った公正な審査であるべきだと思う。
 
 「ラーメン覇王」と言うが、結局この番組では一体、何を競ったのだろう? 「ラーメン店」か。「ラーメン店主」か。「ラーメン」か。
 この審査方法ではそれがまったくわからない。だから何の「覇王」なのかもさっぱり。
 
 番組としてのスタンスの曖昧さは、ここに宮田麺児が出場していることにも如実に表れている。
 「つけ麺」専門店があの中に入ってくるというだけで、あれれ「ラーメン」覇王って何?という根本的な卓袱台返しだし、そもそもシャンプーハットてつじは(番組内で本人も言っているように)実際に店に出て調理しているわけではない。
 だったら2ndステージ以降の「新作」戦でどうするはずだったのか。先ほど書いた「結局この番組では一体、何を競ったのだろう? 「ラーメン店」か。「ラーメン店主」か。「ラーメン」か」という疑問は、宮田麺児が入っていることにより迷宮に入ってしまう。結局、番組として宮田麺児が2回戦以降に残ることがまったく想定されていなかったということだろう。あれと戦わされた龍旗信も気の毒だと思う。
 
 宮田麺児の出場に関しては、こんなことも考える。
 前述ウォーカープラスの宣伝文には「この番組は、美味しいことではすでに定評のある各ラーメン店主が、芸能界きっての「辛口な」審査員や実力派のプロのシェフから厳しいコメントを次々と浴びせかけられるという、大阪で最も厳しく、価値のあるナンバーワン決定戦だ」とあった。しかし番組中「審査員や実力派のプロのシェフから厳しいコメントを次々と浴びせかけられ」たのは宮田麺児だけだった。まさかこういう演出のために負けることを前提に宮田麺児がブッキングされたのか?とか。
 
 これらはすべて、店主たちには真剣な勝負を求めておいて、一方でその真剣さをちゃんと受けとめるだけのワクを作ることをしなかった番組の「ヒドい」ところだと思う。彼らの真剣さを台無しにしたのだとすら思っている。
 
 ……いや、ラーメン店に失礼とかどうとか書いてるが、それも違うのかもしれない。私自身が視聴者の立場として、こんなヌルい「真剣勝負」にゃノレないと思ってるだけなんだろう。きっと。
 
 以上書いたようなことの論理的な帰結は恐らく、「店同士の『勝負』なんて不可能(あるいは無意味)」なんてことになるのだろうと思う。しかし私は心情的には「『勝負』するのならちゃんとした条件で」と思ってる。このへん、言ってることと心情にちょっとしたズレを抱えている。
 
 ここから先は『京都B級グルメ覇王決定戦』について箇条書きにしてるんだけど、ここまでだけでかなりの分量になったので、続きは次回に。

 関係ない話なのだが。
 
 現在、宮田麺児のサイトに行こうとすると、こういう警告が出る(Chrome)。


警告: 不正なソフトウェアが存在する可能性があります

 ググってみても、こう。


Googleで「宮田麺児」を検索(Chrome)


Googleで「宮田麺児」を検索(IE)

 ちなみにGoogleによる miyatamenji.com のセーフブラウジング診断ページの内容がこれ。
 

miyatamenji.com の現在の状況
疑わしいサイトとして認識されています。このウェブサイトにアクセスするとコンピュータに損害を与える可能性があります。

過去 90 日間に、このサイトの一部で不審な動きが 2 回検出されています。

Google がこのサイトを巡回したときの状況
このサイトで過去 90 日間に Google がテストした 2 ページのうち 2 ページで、ユーザーの同意なしに不正なソフトウェアがダウンロードされ、インストールされていたことが判明しました。Google が最後にこのサイトを巡回したのは 2012-06-20 で、このサイトで不審なコンテンツが最後に検出されたのは 2012-06-20 です。
不正なソフトウェアには 2 trojan(s) などがあります。

不正なソフトウェアは 1 個のドメイン(ctonxidjqijsnzny.ru/ など)でホストされています。

このサイトは 1 個のネットワーク(AS17511 (K) など)でホストされていたことが判明しました。

不正なソフトの感染を広げる媒介をしていたかどうか
過去 90 日間に miyatamenji.com が他サイトへの感染媒体となっていた形跡はありません。

サイトで不正なソフトウェアをホストしていたかどうか
いいえ、このサイトでは過去 90 日間に不正なソフトウェアのホスティングは検出されていません。

原因
第三者が正当なサイトに不正なコードを追加したことが原因で、警告メッセージが表示される可能性があります。

……

 
 何かに感染しちゃったのかな。
 サイトにはかなりカネをかけてるようだし、早く対処した方がいいよ。
 私はてつじにtwitterでブロックされたようなので(;O;)教えてあげられない。誰か教えてあげて。

突然食いたくなったものリスト:

  • 麺屋彩々のつけ麺

本日のBGM:
Terminal Earth /SCANNER
気づけばSCANNERを聴いてしまっている。(^^;





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