2005年12月24日によみうりテレビで放映された『らーめん裁判』という番組のビデオを探しています。
私自身この番組を録画していたのだが、保存していたHDDがクラッシュしてしまったのだ。 。+゚(ノД`)゚+。
ひょっとして1枚くらいDVDに焼いてないかなと探しているのだが、見つからない。焼いたかどうかすら曖昧なのに、なかなか見つかるもんではないわなぁ……。(>_<)
(どなたかお持ちの方でコピーしてもいいという方は、コメント欄か digitalhietaro@gmail.com までご連絡ください。m(_ _)m )
で、これを探している間に、これまた懐かしい、『ラーメン屋さんが選ぶ!!関西のうまいラーメンベスト20』という番組のビデオが出てきた。
『らーめん裁判』と同じくよみうりテレビが制作した番組で、放送されたのが2003年12月20日というから『らーめん裁判』の2年前、今から9年前ということになる。作ったのは『ズームイン!!SUPER』のスタッフ。
久しぶりに見たこの番組がとてもいい番組だったので、書いておきたい。
『ラーメン屋さんが選ぶ!!関西のうまいラーメンベスト20』(2003/12/20 YTV)
この『ラーメン屋さんが選ぶ!!関西のうまいラーメンベスト20』は題名のとおりラーメン店のランキング番組なのだが、題名のとおり投票したのが一般人やいわゆる「ラーメンマニア」ではなくラーメン店主であるところが他とは違う。
関西ラーメン店200軒にうまいと思う店を5店まで選んでもらう。その1~5位を、
1位=10ポイント
2位=8ポイント
3位=6ポイント
4位=4ポイント
5位=2ポイント
とし、合計ポイント数で順位を決定する(ただし同点の場合は、上位票が多い方を上にする)。1ポイントではなく2ポイントで刻んだ理由はよくわからない。(^^;
この番組が制作された2003年頃の関西は、1990年代まで勢力を張っていた旧来のラーメン店と2000年代に活躍する新世代のラーメン店との世代交代の過渡期にあたる。
ただし投票者がラーメン店主であるため、当時でも比較的古めの店に分があったと思われる。リアルタイムでウマいと思う店ももちろん入るだろうが、どうしても長年愛してきた味や、自分がこの業界に入るきっかけを与えた衝撃の一杯、みたいな店に投票するものだろうから。
このアンケート集計については、当時の番組のウェブサイトで説明されている。もちろん9年も前のTV番組のページが残ってるわけがないのだが、Internet Archiveには残っていた。
以前ズームインのラーメン番組があったのは2002年の6月。それから1年6ヶ月。いろいろなラーメン屋さんも増えてきて、そろそろ新しいラーメン番組をするか?となったのが、2003年の10月でした。 それでは内容を…と言った段階で悩んだのが、コンセプトでした。昨今、多くのラーメン特集が放送されていますが、いまいち、どの番組を見ても新鮮味がない。よく見る有名店ばかりで面白みがない。今回は、今までになかったことをしよう!と考えたのが、「ラーメン屋さんに聞いた、おいしいラーメン屋さんランキング」でした。ラーメンを作っている方々。この人たちに聞けば、おいしいラーメン屋さんに行き着くはず。と。 しかし、こんな企画、新しいですが、聞いたこともありません。ラーメンの味に自信を持つそれぞれの店主の方が、他のお店を紹介してくれるのか?スタッフは心配でした。そこで、とりあえず協力をお願いしてみよう!と半分見切り発車の状態でアンケートに走りだしました。目標200軒。誰もが不安を抱きながら…。 企画うらばなし 会議は企画が決まってから、週1・2回のペースで開かれていました。しかし、ラーメン特番のスタッフはほとんどがズームインのスタッフ。通常の中継などの仕事をこなしながら進めていっていました。…もちろん会議になかなか人が集まりません。ドカんっ!!!と何度もプロデューサーの雷が落ち、スタッフもヒヤヒヤ。けど、ズームインスタッフの持つ団結力でここまで来ましたよッ! お願いするアンケートは2種類。1つは、ご店主が関西でおいしいと思うラーメン屋さんを最大5軒、紹介してもらうというもの。そしてもう1つがラーメン屋さんに聞きたい質問5項目でした。 ズームインスタッフの中でも今回のラーメン特番の担当になった、各ディレクター、ADが府県別のブロックリーダーとなり、各府県に飛び出しました。ここで総合演出の岩尾プロデューサーからの提案で、これだけ異例な質問を答えていただくのだからと、アンケートの際にはできる限りお店に出向いて、アンケート用紙を直接渡したり、または回収をしようということになり、ブロックリーダーたちは時間の許す限り、各府県のラーメン屋さんを回りました。(しかし、時間の関係上、すべてのお店に直接行くことができなかったこともまた事実です。ご挨拶のできなかった各ラーメン屋さんの皆様、お許しください。) 多くのラーメン屋さんを回るスタッフたち。アンケートのお願いが進んで行くうちに、スタッフの不安は打ち消されていきました。ほとんどのラーメン屋さんが快く、このアンケートにご回答いただけたのです。どんどんデスクに集まってくるアンケート用紙。本当にスタッフは喜んでいました。 アンケートうらばなし 東西南北、あらゆる関西のラーメン屋さんに各スタッフは行きました。電話で趣旨をご説明して、お店に伺う日時を決める。 ラーメン屋さんにはもちろん、いろんなご店主がいらっしゃいますが、「お茶でも飲んで…」、「うちのラーメン、食べていってくださいよ」と言っていただける、心やさしい方もいらっしゃるので、スタッフは本当にうれしかったんです。そして、普段お客さんとしてでは聞けないお話もたくさん聞いたりして…。ちなみにアンケートの段階で頂いたラーメンはすべて各ブロックリーダーの自腹で食べました(領収書も切っていません)。 大阪ブロックリーダー・谷口ディレクター 谷口ディレクターは自宅が大阪市内だということで、自転車で各ラーメンを回っていました。一日に7軒、8軒…。少し体が大きめの谷口ディレクター、運動にもなるといいながらも、行った先のお店でラーメンを食べるので、ほとんど変わらなかった…というよりも体重が増えたと言う説も。 もちろんのこと、アンケートを元にランキングを作らなければなりません。正確、かつ公平に。直接集めたアンケート用紙や、時間や距離の関係でFAXで頂いたアンケート用紙は200枚にも及びました。それを集計していく段階で、各ブロックリーダーは担当の府県のラーメン屋さんに票が入ると、まるで自分のことのように喜びました。自ら足を運び、直接お店の人と触れたスタッフは担当の府県のラーメン屋さんに自然と愛着が湧いていったのも、また事実なんです。 ノミネートされたラーメン屋さんは数え切れないほどになりました。その中、厳正な集計で1位~50位までを出し、ランキングにさせていただきました。 集計うらばなし 一般的にランキング番組で思われるのが「本当にアンケートをしてるの?」ということ。もちろん!ランキングは本当のものです。集計、チェックはほぼ全員で行い、最後の1票まで数えています。もしかすると、なぜあの店が入ってないの?という疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれませんが、それはラーメン屋さんが選んでくださったもの。スタッフはそこに立ち入るスキはありません! |
「それでは内容を…と言った段階で悩んだのが、コンセプトでした。昨今、多くのラーメン特集が放送されていますが、いまいち、どの番組を見ても新鮮味がない。よく見る有名店ばかりで面白みがない」というのはいかにもテレビ的でイヤらしい。結局、「出てくる店」というわかりやすい指標で新鮮味を測ること自体が「新鮮味がない」のであって、例えば「どうして『よく見る有名店ばかり』になるのかを探る」など、いろんな切り口はあるはずなんだ。……とは思うけれど、まあテレビだから仕方ない。
それはそれとして。
スタッフの言葉を信じるなら、集計はかなりフェアにおこなわれたようだ。
もちろん選ぶ人間を選ぶ……つまりどのラーメン屋に聞くのかという部分にスタッフの恣意が入り込む余地はあるが、200軒もの数を集めるのに、そういう意図を入れ込めるほどの余裕はないように思う。とにかく答えてもらえるところには片っ端から答えてもらおう、という感じだろう。
ただ、ランキングに入った店すべてが取材に応じているところが少し気になるところではある。つまり取材に応じなかった店はランキングから外しているのではないかという懸念。例えば今回のランキングに○○が入ってないのは不自然じゃないか、とかいう疑問はどうしても出てしまう(例えば天天有とか)。純粋なランキング番組はこれがあるから成立しにくいわけで。まあしかしこれも、「アンケートの段階で頂いたラーメンはすべて各ブロックリーダーの自腹で食べました(領収書も切っていません)」とまで言うくらいのスタッフのフェアネスをとりあえずは信じよう。
#それにもしそういうこと(取材拒否の店)があったとしても、その店を抜いてランキングするだけのことで、上位下位の位置関係は変わることはないだろう。
ランキング番組にあって、順位づけの方法にツッコミどころが少ない、何を評価しているかはっきりしているというのは重要どころか、生命線だ。例えば今年1月19日に放映された毎日放送の『大阪ラーメン覇王決定戦』(魚拓/どうせ数年後にはなくなってるだろうから)は、審査員の選定、審査方法、そしてこの勝負で評価されるものが何なのか、さっぱりわからなかった。勝ち抜き戦という形式とはいえ順位付けをする番組でこれはあまりに酷い。その意味で『大阪ラーメン覇王決定戦』はまったくダメな番組だった。「みんながんばった」とかそういう話ではなく、出演している人間にもラーメンにも見てるラーメンファンにも失礼。
この番組のいいところの1つは店の紹介VTR。必要な情報をきれいにまとめ、それが各店のVTRでほぼ統一されている。
「ベスト20」と言いながら番組内ではちゃっかり30位まで紹介しており、しかもミニコーナー、スタジオでのトークもあるため、2時間番組とはいえ1店の紹介VTRにに割ける時間はさほど多くない。その中で、店の外観から入口、店内、店主のコメント、スープ、麺、麺茹でから丼への盛りつけ、そして出来上がりまでを見せて、そこからアナウンサーの実食レポート。この一連の流れがどの店のVTRにもちゃんと盛り込まれている(ナウンサーの実食レポートは20位以上)。取材時のスタッフの意思統一がちゃんとしていたということなんだろう。
私はこの番組を見ていて、湯切りに平ザルを使っている店が多いことに気がついた。
普段ラーメン屋に行ってる時は、平ザルを使っている店はかなり少ないというのが実感だ。それに比べて、ランクインしている店の平ザル使用率は有意に高いように思う。興味深いので、後段で紹介するランキング表の中に[平ザル|テボ]どちらを使っているかも入れておいた(現在はどうなってるか知らんよ。あくまでもこのVTRでの話)。
こんなことも、この番組の紹介VTRならわかるようになっている。
また、ランキングの間に挿入されるミニコーナーもなかなか楽しかった。
まず、大阪で活躍する漫才コンビ「おかけんた・ゆうた」による太陽製麺所の見学。太陽製麺所は大阪で一番大きい製麺所で、1日9万食/日、約80種類の麺を生産している(当時)。関西人なら一度は見たことのある?「麺類一式」と書かれた配送車は70台あるのだとか。
太陽製麺所の配送車
おかけんたはラーメンマニアとして知られており、2000年代前半くらいまでは雑誌のラーメン特集などにもよく顔を出していた。最近はあまり出てこないけど。本人がアートの方に軸足を置いたこともあるだろうし、そのポジションをシャンプーハットてつじが担うようになったからという部分もあるんだろう。
2003年頃はまだ「自家製麺」という言葉も普及していなかったらしく、番組内では「自家製の麺」と表現されていた(麺哲の紹介ところで店主庄司氏は「自家製麺」という言葉を使っている)。工場見学自体はごく簡単なものだったが、そんな時期に「製麺」にスポットを当てたことが先駆的だったと思う。
この中で、麺の材料として強力粉、水、油、かん水、クチナシ色素が挙げられていた。え? 塩はないの……? あと、油を使うというのもあまり聞かないなあ。このあたりはさまざまな業務用麺を生産する太陽製麺所ならではの材料なのかもしれない。
これが2年後に放映される『らーめん裁判』では「製麺所派」「自家製麺派」という括りまで登場するわけで、この時代、関西のラーメン界はほんとに大きく動きだしていたなあ。
他にも「ラーメン屋さん100人に聞きました」というコーナーもやっていた。「ラーメンを食べる時、何から食べますか?」「どんなお客さんが来るとうれしいですか?」「どんなお客さんが来るとイヤですか?」などという質問に対してどういう答えが多かったか、というクイズ。
また50位までの店でいくつかのデータを出していた。50店のうち、府県別分布、スープの種類、麺の太さ、ラーメンの価格がそれぞれどういう割合かというもの。私にとってはさほど興味深いデータでもないので(^^;、ラーメンの価格だけ紹介しておこう。
人気ラーメン店の傾向(1位~50位)ラーメンの価格
やはり9年前だけあって、今より少し安いね。
もう1つのミニコーナーではラーメンの歴史を紐解いている。
「にっぽんラーメン物語」というこのコーナーの名前は、おそらく小菅桂子氏による同名の著作から取ってきているのだろう。
それは冒頭の「序章・ラーメン夜明け前」に、小菅桂子氏の『にっぽんラーメン物語』で唱えられた「日本で最初にラーメンを食べたのは水戸黄門」説が紹介されることからもわかる。ただ、このコーナーは新横浜ラーメン博物館の協力で作られたものらしいので、『にっぽんラーメン物語』を直接参考にしたと言うよりは、新横浜ラーメン博物館の話をそのまま紹介したということなんだろうな。
まあいい。それはそれとして。
「第1章・ラーメン創世記」では最初のラーメン店、浅草の來々軒が紹介される。そしてその2年後に神戸居留地で創業した大貫(現在は尼崎にある)。來々軒が廃業した今、大貫が現存最古のラーメン屋であると。関西ローカルの関西のラーメン番組なので、当然これでいいのだ。ちなみに大貫は3代目・千坂哲郎さんと4代目・千坂創さんの両方が出ていた。
また、札幌の竹家食堂の流れを汲む神戸の竹家も紹介され、店主の大久武さんが「ラーメンという名をつけたのは私のおばあちゃん(大久タツさん)です」と証言していた。この説も『にっぽんラーメン物語』などで紹介されている。
「第2章・ラーメン熟成期」は第二次世界大戦終了後に、戦後の闇市でラーメンが支持され広がったこと、そして「ラーメン」が「国民食として認知される決定的な一打」が関西から放たれた、という話が語られる。もちろん大阪の日清食品による「チキンラーメン」発売(1958年)のことだ。
「最終章・ラーメン繁盛期」では、1965年に大阪高島屋で開催された北海道物産展をきっかけに札幌味噌ラーメンがブームになり(大阪高島屋での物産展がきっかけだったとは知らなかった)、1980年代には1984年博多ラーメンブーム、、1986年荻窪ラーメンブーム、1987年喜多方ラーメンブーム、1988年佐野ラーメンブームがあった、という。そして1994年に新横浜ラーメン博物館がオープンする(このあたりは正直、かなり東京中心史観のように思える ── 荻窪ラーメンブームなんて、関西であった? ── のだが、新横浜ラーメン博物館に聞いたのだから仕方ないところか。これを新横浜ラーメン博物館に聞かなければいけないところがある意味、関西ラーメン界の限界でもある)。そして1998年に「ラーメン界を揺るがす大事件が起こる!」と。(^^;
それは「和歌山ラーメンブーム」。この年、井出商店が新横浜ラーメン博物館に出店し、大人気を得た。8ヵ月間の出店の間、23席という店舗で1日平均約900杯を売り上げたという。行列は最長で待ち時間2時間半にもなった。ここでこの番組がよかったのは、この頃の思い出をちゃんと井出商店にインタビューしていること。せっかくの取材をちゃんと活かしている。
このように、「ラーメンの歴史」という大きな流れの中で、関西と関係があるところをちゃんと押さえて、そしてちゃんと当事者にインタビューしているところがいい。
そしてこの後、最近のブームとして、当時ポコポコと雨後の筍のようにたくさん出来始めていたラーメンテーマパークを紹介していた(泉ヶ丘ラーメン劇場、浪花麺だらけ、京都拉麺小路、明石ラーメン波止場)。
その後数年でそのほとんどが閉まってしまうなんて、この時、誰が予想しただろう。(>_<)
これらのミニコーナーも、真面目に作っていることが窺えて好感を持った。
あと、これは「ラーメン番組としてとてもいい」という評価とは別ではあるが、月亭八方のテキトーな司会ぶり、予定調和に陥らない鋭い突っ込みが非常によい。(^O^)
この番組は紹介する店にアナウンサーが取材に行っており、VTRの後に少しだけ彼らが話す。
神座
アナウンサー「スープに何が入ってるんですか?と聞いてみても、絶対に言えませんと。神座の社員の中でも、ほんの一握りしかそのレシピは知らない……」
月亭八方「社長に聞いたら社長も『知らん』言うてました」
揚子江
松尾貴史「ほんとに(スープの)透明度高いですよ」
月亭八方「『スープないわ』と思って勘違いする人もおるやろね」
来来亭
アナウンサー「一言で言うと『シンプルイズベスト』なんですよ。そこに背脂が入ってちょっと香りと甘味がプラスされているというね。このへんもの凄く、香りが香ばしくて、それが他の店にはないようなね、独特の雰囲気ですね」
月亭八方「ほなシンプルじゃないじゃないですか」
麺や輝
アナウンサー「一瞬、頼りなさそうに見えましたけどまだ若くて、お店も開いたばっかりなんで、『いいんですか僕が13位で?』という感じだったんですよ」
月亭八方「一見頼りなさそうに見えたんですか?」「我々何も言うてないんですけど。しっかりした人やな思たけど、そう見えたんですか?」
アナウンサー「すみません、すみません」
月亭八方「へえええ、そうなんですか」
アナウンサー「一瞬ね、一瞬だけですよ、一瞬!」
アシスタント「魚から取ったスープ……がね」
アナウンサー「これ隠し味で、すりゴマが!入ってるんですよ~」
月亭八方「もっぺん聞きますけど、店長、頼りなさそうに見えたんですか?」
アナウンサー「すみま、すみません~。一瞬ですから、一瞬、一瞬です、一瞬、一瞬です、一瞬、一瞬ですからっ」
天下一品
アナウンサー「何しろ野菜11種類ですか、煮込んでますんで……」
月亭八方「11種類言えんの? 全部」
アナウンサー「いやそういう難しいこと私は……」
月亭八方「取材で行ったんちゃうの? セリ……」
けんたゆうた「それ七草がゆ」
信濃路
茉奈佳奈「あんなトマト味のラーメンなんて食べたことがないんで、食べてみたいですね」
月亭八方「ラーメン世代やけど食べたことないん?」
茉奈佳奈「トマト味は……ないですねえ」
月亭八方「トマトは食べたことあるんでしょ?」
月亭八方、かなりイイ! (^O^)
ではそろそろ番組で紹介された店を紹介しよう。
まず出演者がオススメする店。
三田寛子 | もづめ食堂 | 向日市 |
三倉茉奈・佳奈 | 古潭老麺 | 北区 |
松尾貴史 | 揚子江 | 北区 |
おかけんた | 美冨久 | 住之江区 |
おかゆうた | 小洞天 | 中央区 |
月亭八方 | 神座 | 中央区 |
そして以下が、ラーメン店200軒が選んだ「関西うまいラーメンベスト30」(番組タイトルは「ベスト20」だが、30位まで紹介した)。
くり返しになるが、採点の方法は以下のとおり。
1位=10ポイント
2位=8ポイント
3位=6ポイント
4位=4ポイント
5位=2ポイント
とし、合計ポイント数で順位を決定する。ただし同点の場合は、上位票が多い方を上にする。
順位
|
店名 | 場所 | 投票 結果 ※1 |
点数 | ザルの種類 |
1
|
ますたに | 京都 | 47582 | 162 | 平ザル |
2
|
神座 | 大阪 | 74326 | 140 | テボ |
3
|
新福菜館 | 京都 | 34444 | 110 | 平ザル |
4
|
本家第一旭 | 京都 | 24354 | 98 | 平ザル |
5
|
彩華ラーメン | 奈良 | 12541 | 74 | テボ |
6
|
井出商店 | 和歌山 | 03441 | 66 | 平ザル |
7
|
ラーメン銀閣 | 京都 | 13411 | 64 | 平ザル |
8
|
ほそかわ | 京都 | 24002 | 56 | 平ザル |
9
|
揚子江 | 大阪 | 22301 | 56 | テボ |
10
|
来来亭 | 滋賀 | 02510 | 50 | テボ |
11
|
古潭老麺 | 大阪 | 31101 | 46 | 平ザル |
12
|
珍遊 | 京都 | 21130 | 46 | テボ |
13
|
麺や輝 | 大阪 | 20320 | 46 | テボ |
14
|
いいちょラーメン | 京都 | 40001 | 42 | 平ザル |
15
|
本黒門らーめん | 大阪 | 22011 | 42 | テボ |
15
|
信濃路 | 大阪 | 22011 | 42 | テボ |
17
|
天下一品 | 京都 | 11222 | 42 | テボ |
18
|
大阪大勝軒 | 大阪 | 31001 | 40 | テボ |
19
|
山神山人 | 兵庫 | 21111 | 40 | テボ |
20
|
みよし | 京都 | 21110 | 38 | 平ザル |
21
|
ラーメンたろう | 神戸 | 20122 | 38 | テボ |
22
|
二両半 | 大阪 | 12111 | 38 | 平ザル |
23
|
もっこす | 兵庫 | 03112 | 38 | 平ザル |
24
|
まんねん | 大阪 | 30100 | 36 | ? ※2 |
25
|
杉千代 | 京都 | 22000 | 36 | テボ |
25
|
豊中麺哲 | 大阪 | 22000 | 36 | 平ザル |
27
|
一番星 | 京都 | 21101 | 36 | テボ |
28
|
ラーメン横綱 | 京都 | 02212 | 36 | テボ |
29
|
天神旗 | 大阪 | 02210 | 32 | テボ |
30
|
洛二神 | 大阪 | 00420 | 32 | テボ |
2003年12月20日放送、よみうりテレビ『ラーメン屋さんが選ぶ!!関西のうまいラーメンベスト20』より。
※1:左から1位に投票された数、2位に投票された数……5位に投票された数。
※2:まんねんはちょうど録画が途切れていた。
あとはいろいろ箇条書きにして終わりにしよう。
- おかけんたの言った、「主婦が通う店っていうのは間違いない」というコメント(彼自身のオススメ味冨久の説明)はそれっぽく聞こえはするけども、根拠は何なんだろうな。
- 前述の通りおかけんたはかなりのラーメン通なのだけども、太陽製麺所の取材で麺が黄色いのはクチナシの色素を使っているという話について「全然知らなかったんですけども」と言っていた。意外。
- また「僕らは生麺がおいしいという感じがあるじゃないですか。聞くところによると熟成……1日か2日くらい寝かせると深みのある味になるんですって」と言っていた。「生麺」という言葉の使い方が変なような。言いたいことは伝わるけれど。(^^;
- しかしおかけんたはラーメン店の知識はほんとちゃんとあって、番組全般にわたって、出しゃばることなくさりげなく解説や知識をはさんでいて、そのイヤミのなさに好感を持った。
- 太陽製麺所の見学コーナーで面白かったのは、彼らが製麺職人にお願いして作ってもらったオリジナル麺を試食するシーン。ラーメンマニアではないおかゆうたの方が明らかに麺の食べ方が上手い。(^O^) 面白い話だ。
- 太陽製麺所みたいな大きなところでも、普通の構造の製麺機が使われている。製麺機というのは基本的に明治時代にできた眞崎式でほぼ完成しているのだ。
- 当たり前のことではあるけれど、おそらく普通の人は知らない話。太陽製麺所では工場の至る場所に、特にミキサーがある場所から目に見えるところに必ず温湿度計が設置されている。もちろんこれらの要素が製麺に大きな影響を与えるからで、朝と昼だけでも配合は全く変えなくてはいけないという。……なんて話が普通にテレビ番組で出て来てるんだから、面白いじゃないの。
- 太陽製麺所には社内の一角に調理スペースがあるらしく、作った麺を使ったラーメンを試食するシーンがあった。麺を茹でるのは大きな釜で、平ザルで上げていた。やっぱりこれが麺を一番おいしく茹で上げられるからだろう。
- きっと製麺所はこういうスペースで顧客店の味を想定して実際にラーメンを作り、麺の試作をしてたりするんだろうな。ただちょっと気になるのは、どの店の麺を作る時もこうやって大きな釜&平ザルで作って麺を試作してるんだろうかというところ。一瞬いいように思うけど、よく考えれば店によっては当然テボを使っている店もあるわけで、大きな釜&平ザルの組み合わせとテボ使用では、同じ麺でも茹で上がりにきっと大きな違いがあるはず。どうなんだろう? このあたりは単なる疑問で、答えは知らない。
- ランキングに入った店の中で平ザルを使った店が多かったのは意外と言うより「さもありなん」と、後からは思う。やっぱりちゃんとした店はそうするわな。そしてラーメン店主は当然そういうところを見ている。平ザルとテボの話はまた改めて。
- 店紹介VTRではスープだけではなくちゃんと麺に着目している。このあたりは本当に1990年代から時代が変わってきているのがわかる。
- ただまあ、(これは今もだけど)相変わらず「見かけはこってりだけど、食べてみるとあっさり」といった陳腐なフレーズが多用されている。
- この後2000年代を担うことになる若い店は、出て来たばかりなのでまだまだランクインする数も少なく順位も高くない。そんな中30位以内にランクインしたのは洛二神(30位)、天神旗(29位)、豊中麺哲(25位)、麺や輝(13位)。
- この時代、天神旗も洛二神もまだ自家製麺をやってなかった。天神旗は博多からの空輸。天神旗の大鶴氏はその後製麺にハマってうどんの店まで作ってしまうんだから、ある意味これは貴重な映像なのかもしれない。
- 麺や輝はこの当時、開店から3年だそうだ。
- 豊中麺哲はこの時点で開店からわずか2ヵ月しか経ってないのに25位に入っている。真空ミキサーを使って製麺しているところも紹介されていた。見ていてふと気がついたんだけど、製麺機から麺が出てくる、その出て来る方向が普通の製麺機と違う。麺を「─」と表すと、普通の機械では「─ →」の方向に麺が出てくるのだが、豊中麺哲の製麺機は「│→」の方向に出て来てた。ひょっとして庖丁切りなのかもしれない。この前麺野郎に行った時に聞いとけばよかった。……庄司氏のブログを見ると確かにそうみたいだ。凝ってるなあ。(現在は封印中とのこと) これで切った麺が食べてみたいな。
- 博多長浜ラーメン みよしでは1日100kg以上の豚骨を使っているという。豚骨をかき混ぜるのにシャベルを使ってる。(^O^)
- 番組が「おいしいラーメン」ということもあるだろうが、つけ麺は1つも出てこない。大阪大勝軒もラーメンで出てくる。
- 本家第一旭は多い時は1日1000杯だって。(゚Д゚) 早朝5時から営業しているのは、JR職員のために朝早くから開け始めたことに始まるそうだ。
- 神座は多い日は1日2500杯。うひゃあ。しかしこういう数字を聞くと、この隣の金龍が80年代に1日5000杯売ったという伝説も、あながち嘘じゃないかもしれないと思えてくるなあ。
- 3位と4位に新福菜館と本家第一旭という、隣り合った立地の2軒が仲良く入っている。番組では珍しく両店が隣り合っていることを紹介し、さらに両店がどういう関係なのかインタビューしている。
新福菜館「仲はいいです。釣り銭の両替を頼んだりとか」
第一旭「ネギをよく借ります。そしてよく貸します。(^O^)」
このインタビューもいいね。 - 山神山人を紹介するアナウンサーが、「多くを語らないでいいんですこのお店は。何にも言わなくても行っていただければわかります。最高」って言ってた。お前は何のためにおるねん。
- 「ラーメン家系図」に出ているが、ますたに(1位)、ほそかわ(8位)、来来亭(10位)は同門。ますたにの弟子がほそかわで、その弟子が来来亭。凄いねえ。
- あと、二両半(22位)は本家第一旭(4位)の弟子。
- 「にっぽんラーメン物語」のコーナーで出てくる「ラーメン創世記」というのは、正しくは「ラーメン創生期」か「ラーメン創成期」だろうなあ。旧約聖書じゃないんだから。
- 「にっぽんラーメン物語」で紹介されたラーメンテーマパークは泉ヶ丘ラーメン劇場、浪花麺だらけ、京都拉麺小路、明石ラーメン波止場の4つ。ここでは紹介されていないが、道頓堀ラーメン大食堂というのもあった。
まさに雨後の筍のようにたくさんできたこれらのラーメンテーマパークだが、この放送以降数年でブームは去り、この中で現在も残っているのは京都拉麺小路のみとなっている。せっかくなのでこれらのテーマパークのデータをここに示しておこう。2002年10月オープン 泉ヶ丘ラーメン劇場 2006年2月28日終了 2003年09月オープン 道頓堀ラーメン大食堂 2005年5月22日終了 2003年10月オープン 浪花麺だらけ 2007年2月25日終了 2003年11月オープン 京都拉麺小路 営業中(2012年4月現在) 2003年12月オープン 明石ラーメン波止場 2008年8月31日終了 他が4年前後しか続かなかった中でオープンから8年以上経った今でも営業を続けている京都拉麺小路はなかなか凄い。どういう秘訣があるんだろうか。
- 土曜日の昼というヌルい時間帯の番組で、内容もそんなにセンセーショナルなものじゃなかったけど、誠実にしっかりと作ったという印象の番組だった。こういう番組こそがいい番組だと思う。
むしろゴールデンタイムみたいなガツガツした時間帯でなかったのがよかったのかもしれない。番組を作った『ズームイン!!SUPER』のスタッフはいいスタッフだなあ。
こういう番組がちゃんと評価されなくちゃいけない。(古い番組だけどね。(^^; )
くりかえしで恐縮ですが、2005年12月24日に放送された『らーめん裁判』(よみうりテレビ/司会・松尾貴史)という番組を探しています。番組を録画していて「コピーしてやってもいい」という方は、コメント欄か digitalhietaro@gmail.com までご連絡ください。よろしくお願いします。m(_ _)m
突然食いたくなったものリスト:
- 鰻の蒲焼き
本日のBGM:
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