世の中知らんことばかりだよ

 ものを知らないってのは恥ずかしいねえ。何に恥ずかしいって、何よりも自分に恥ずかしい。
 黒猫亭さんのところの「とろろ芋が物凄く混ざっている件」というエントリを読んでるうちにやたら食いたくなったので、とろろ飯を作ったのだ。
 が、実は私はとろろ飯というのをこれまで一度も作ったことがない。
 ……というか、食べたこともない。
 まぐろ山かけ丼は作ったことがある。麦とろ飯は店で食べたことがある。
 が、とろろ飯はない。
 しかし食べたくなったものは仕方ない。
 とりあえずザッとだけ(ここポイント)黒猫亭さんのエントリを読んで、台所へ。

 どうしてこれだけとろろ飯を食べたくなったかというと、昨日、山芋を掘ったばかりだから。この芋のことを本当は何と呼ぶかわからないが、まあ、芋だ。
 この芋、掘るのがとても難しい。まっすぐ下に伸びていかずに地下でグネグネと折れ曲がっているものだから、ちょっと失敗するとすぐにスコップで切ってしまう。
#そういえば、1週間ほど前、ある時間帯から「シャベル スコップ」という検索語でのアクセスが激増した。何だと思ってたら、どうも『秘密のケンミンSHOW』で紹介されたらしいね。大阪以外はデカい方がスコップだ、と。
##で、この本文で言ってるのは小さい方。もちろん掘るのにシャベルも使うけど。
 せっかく自分で掘った芋があるのだからいじるな……いや、ハンパしちゃってごめん……せっかく自分で掘った芋があるのだし、新米の季節でもあるし、ここは一度、とろろ飯で食ってみようじゃないかと。
#これまでお好み焼きにばかり使っていた。
 というわけで、作ってみる。
 黒猫亭さんのところにちゃんと作り方は書いていたのだけども、先ほども書いたように「ザッと」見ただけなので、自らの記憶力のなさと材料の欠如から、原型とはかなり違ったものができあがった。





 残念ながら掘っている最中に折ってしまった。この白い断面は私の悲しみの白だ。
 後から考えるともうちょっと多くてもよかったなあ。


何故かあたり木が見つからなかったので、うどんの綿棒を代用

 ここで私は皮を剥いてしまったのだが、後で黒猫亭さんところのエントリから辿れるリンクを見ると、どうやら芋というのは炙ってヒゲを取り、きれいに洗って皮ごと使うものなのだそうで。なるほどなあ。そんなん知らんかった。
 実際、自分で掘るととても芋がかわいくなるので(^O^)皮ごと食べてもよかったんだけどなあ。
 あたるというより砕くという感じになる。
 後で見ると黒猫亭さんはダシでのばすと書いていたのだが、私はめんつゆでのばしていた。(^O^)
 さらにこの中に生玉子を入れることになっているが、私は(完全に記憶違いで)ここには入れていない。


できあがり

 丼にご飯を盛って、あたった芋を載せて、炙った海苔……ほんとは普通の味のりだと思うんだけど、なかったのでおにぎり用の味付け海苔。表面に味醂がついているので炙ったら海苔の香ばしい匂いではなくみりん干しの匂いがした。(^O^)……をパラつかせ、真ん中に溝を作って生玉子を乗せ、醤油をかけた。鹿児島から送ってもらった甘い醤油。
 ネギはなかったのでもともと材料に入れてない。
 うむ。後で読み返したら、原型と全然違う。(^^;
 なんかいろいろ恥ずかしい。
 ……まあしかし、結局のところ「ちょっと豪華な玉子かけご飯」ができあがったわけで、これはこれで、マズいはずはない。
 非常においしくいただいた。
 あたり鉢であたったのがいいね。大根おろしだとこうはいかない。
 適度な大きさに残った芋のシャクシャクとする食感が、なんとも心地いい。
 やっぱり自分が採ったものは問答無用でウマい。\(^O^)/

突然食いたくなったものリスト:

  • とろろ飯

本日のBGM:
Nice Age /HMO






2 個のコメント

  1. ご紹介有り難うございます。
    hietaro さんの芋は、まあ普通に考えれば山に自生しているグネグネ曲がった長い芋を掘り出したんですから、山芋とか自然薯と呼んで間違いはないとは思います。山形ミクラスさんが紹介してくださったリンクによると、一メートルの物を無傷で掘り出すには五メートルくらい掘る必要があるらしいので、これはもう素人の芋掘りの領域じゃないですね(笑)。
    多分、全国でそんなに呼称の振れ幅がないのはこれじゃないかな、と思うんですけど、この種の芋の植物学上の分類や学名と一般的な呼称の間で対応関係が厳密ではないと謂う事情はウチで視てきた通りで、食品の専門家であるどらねこさんが信頼性のある書籍で調べても定義がマチマチだと謂うことなので、ひとまずどらねこさんのまとめを待ちたいと思います。
    さて、とろろ汁のレシピなんですが、たしかに細かいところはオーソドックスなスタイルから外れていますね。皮を剥くか剥かないかについてはどうやら好きずきと謂うところらしいので、髭根を炙って皮ごと摺り下ろせと書いているところもあれば、皮を剥いて下ろすと書いているところもありますから、どちらでも好いと思います。
    それと、実際に試されたのでおわかりだろうと思うんですが、hietaro さんの摺り方だと摺り下ろされたとろろが増えてくるにしたがって芋の破片が擂り粉木からヌルリと逃げるので、段々潰しにくくなってきますね。なので、一般的には芋を直に掴んで擂り鉢の側壁に擦り付けるようにして下ろしていくものみたいですよ。
    この場合、皮を全部剥いてしまうと芋がぬめって掴めないので、オレは掴むところだけ皮を残して摺っています。皮を残した部分は、後で皮を剥いてマルチスライサーの卸し金で下ろすか千切りにしてしまいますが、皮ごと下ろすのなら、最後まで無駄なく下ろすことが出来ますね。ただ、仰るように芋の破片が残ってもシャクシャクした食感があって美味しいですから、山かけにわざわざ千切りを入れたりしますよね。
    とろろ汁に混ぜるのは一般的にはだし汁ですが、めんつゆでも白だしでもお好みで好いんじゃないですかね。後で醤油の量で塩加減を調節すれば好いだけですしね。だし汁で伸ばすのは、ただ芋を下ろしただけだと粘りが強すぎて飯に馴染まないかららしいので、要は何かの汁でとろろを伸ばせば好いんです。山形ミクラスさんが紹介しておられるリンク先のレシピは劇画「おせん」の魚のアラ汁で伸ばす方式ですし、代替案として煮豚の漬け汁みたいなタレで伸ばす方式も紹介されていますね。
    で、玉子なんですが、やっぱり飯に掛けてから鶏卵一個落とすと、多すぎて玉子掛けご飯みたいになってしまいますよね。なので、とろろ汁を飯に掛けてから玉子を落とすなら鶉玉子くらいが適量なのかな、と思います。オレは大体掻き混ぜた卵液を半個分程度使って、予めとろろに混ぜてしまいます。
    まあ、結局は出来上がりのイメージで下ごしらえが違うと謂う話だろうと思うんですが、マグロ山かけ丼みたいなイメージで、白いとろろ汁に玉子と醤油を垂らしてご飯と混ぜながら食べるようなイメージだとそんなに下ごしらえに手を掛けなくても好いし、麦とろみたいに「飯が泳ぐほど」大量の緩いとろろ汁をガサーッと掛けてザバザバ掻き込むようなイメージなら、だし汁で緩めて玉子も予め混ぜちゃったほうが美味しいだろうと謂うことだと思います。
    でも、究極するところ、とろろ芋をただ摺り下ろしただけの物でも十分美味いし、滑らかに下ろしても粗く下ろしてもそれぞれ違う食感が楽しめて、硬くても緩くても使い方次第だし、それをどう味附けするかも個々人の好きずきってところですね(笑)。

    • hietaro on 2009年11月1日 at 9:39 PM
    • 返信

    >黒猫亭さん
    >で、玉子なんですが、やっぱり飯に掛けてから鶏卵一個落とすと、多すぎて玉子掛けご飯みたいになってしまいますよね。
     
    まさにこれは玉子掛けご飯でした。(^O^)
     
    >でも、究極するところ、とろろ芋をただ摺り下ろしただけの物でも十分美味いし、滑らかに下ろしても粗く下ろしてもそれぞれ違う食感が楽しめて、硬くても緩くても使い方次第だし、それをどう味附けするかも個々人の好きずきってところですね(笑)。
     
    まあ究極、ここに行きつくわけですが。(^O^)
    本文に書いたとおり、私はとろろ飯を食べたことがないんですね。だからゴール地点が見えていなかったわけで。(^^;
    一度、「これがとろろ飯だよ」というのを食ってみたいと思っています。

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