『開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック―有名店主が答える』(旭屋出版MOOK)という本がある。
『開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック―有名店主が答える』(旭屋出版MOOK)
長ったらしいタイトルどおり、ラーメン店の開業法・味づくり・経営についての質問に有名店主が答えるという体裁の本。つまりラーメン店開業予定者・既開業者を読者に想定している。
回答している店主はかなり豪華で、もちろんほとんどが関東の店だけども、それでも私ですら知っている名前が沢山ある。山岸一雄(東池袋大勝軒)をはじめ佐野実(支那そばや)、中村栄利(中村屋)、嶋﨑順一(69’N’ROLL ONE)、三田遼生(六厘舎)、河原成美(博多一風堂)……。
関西の店は3店で、橘和良(カドヤ食堂)、庄司忠臣(麺哲)、松原龍司(龍旗信)。
※敬称略
1つの質問に対してこれらの回答者の中から何人かが回答するという形式になっている。
質問票を回答者に送るなり編集者がインタビューするなりして得た回答の中で、重要なのを数人分掲載しているんじゃないかなあ。あるいは回答者ごとにピンポイントで質問を絞っているかもしれない。
というわけで質問によっては5人くらいが答えていたり、1人だけだったりまちまちになっている。これについては数合わせで回答を水増ししたり削ったりしてなさそうだと思わせる。またたいていの質問には「正解」があるわけでもないので、同じ質問に正反対の回答があったりして、これにも誠実さを感じた。
この本が、結構面白いのだ。
こういう特殊な本だから、この回答者たちは一般の客に向かってではなく、自分の後輩たちに向かって語りかけている。半分は「裏」の話だといえるだろう。その分、客に対してよりは飾りのない言葉で、より本音に近い言葉を発しているのだと思う。
実はこの本を読んだちょうど同じ時期に、先日行ったラーメン産業展でラーメン店専門のコンサルが配っていたDVDを見ていた。こちらも言ってみれば「裏」の話だろう。
同じ「裏」側で、同じ「ラーメン店の経営」について語っているにもかかわらず、その温度差というか、語る立場でここまで違いますかというくらい何もかもが違う。内容然り、ハート然り。実際に汗を流す人間の言葉とそうでない(いや存在意義は認めるけども)人間との違いがくっきりとして面白かった。
コンサルの話についてはまた後日。
この本の中で、いくつか印象に残った回答を御紹介しよう。
(正当な引用の範囲だと思うけど、もし気になったら買ってみてね。(^O^) いい値段しちゃうがね)
Q.原価の抑え方を教えてください。
A.むしろ抑え過ぎに気を付けて。 東京・成増 中辛めん処 道頓堀 庄司武志
質の良い材料を使おうとすると、ある程度原価はかかってしまうものなので、私は普段あまり原価率のことは意識していません。 反対に、原価を抑えることよりも、一定以上の原価を維持するように気を配っていた方が良いでしょう。これ以上は原価を下げない、という目安を作っておけば、安い材料の使い過ぎで知らないうちに味が落ちていた、などという事態を防げるため、味の安定につながると思います。 |
未経験者の「原価の抑え方」という視点と、経験者の「味の保ち方」という視点が面白い。これってコインの裏表だよねえ。とても悩むところなんだろう。
Q.いい材料を使わなければ、いいスープやタレはできないでしょうか。
A.いい材料を大衆価格で売りたい。 大阪・今福鶴見 カドヤ食堂 橘和良
私の店は裏通りにあるので、そこで集客するために、「いい材料」を使うことを魅力の一つに考えました。そもそも私は自分で言うのも変ですが、食材マニアです。いい食材を使いたいし、実際に触りたいんです。それで、たとえば、鶏ガラも滋賀の淡海鶏を選びましたが、結果的に脂がいい鶏なので水を張って血抜きするだけで使え、下茹でしなくていいので旨味は全て取り切れます。 現在は天然素材のいい材料を使って無化調で作っていますが、いい材料を追求して使わないと、うま味調味料は必要になるのではないかと思っています。 チャーシューには、白金豚のウデ肉を使っています。大衆食のラーメンに、スーパーでは手に入らない、フレンチやイタリアンで使われる白金豚のチャーシューがのっているなんて……夢があると思いませんか。しかも、そのラーメンが一杯680円なら、食べてみたいと思う人は多いと思います。 だから、いい材料を使いながら、原価を下げることを常に考えています。チャーシューに使う白金豚も、形のいい部分はチャーシューに使い、3割~4割の部分はだしをとるのに使います。丸鶏の代用になるほどいいだしがとれます。そして、その肉は味付けしてつけそばのトッビングにしたり、炊いた背脂と合わせて「豚めし」(350円)というメニューにもします。スープをとるのに使う豚足も、頃合いを見計らって鍋から出して、骨をはずして「とろける豚足」(300円)というつけそばのトッピングメニューにします。どちらも大人気のメニューになっています。 こうした工夫をするので、いい材料を使いながら700円以下に価格設定できるのです。いい材料は、単に使うならコストが上がるだけですから、そういう使い方はラーメンらしくないと思います |
下線は引用者(って、私)。
これが客に向かって言った言葉ならさほど驚きもしないんだけど、後輩・同業者に向かって、「夢があると思いませんか」と言っちゃうのがステキだなあと。(^O^) 飾った言葉ではなく、ほんとにそう思ってるのだろう。
私はカドヤ食堂は凄くウマいと思ってる。でも位置の問題で数回しか行ったことがない。実は店主の橘氏も見たことがない。でもこの本でのいくつかの回答を見て結構好感を持ったよ。
Q.○○の塩、○○の醤油…といった調味料の違いは、お客様にもわかるような味の違いはあるのでしょうか。
A.わかるわからないの問題じゃない。 東京・町田 ラァメン家 69’N’ROLL ONE 嶋﨑順一
例えば塩。裏の表示を見てみて。ミネラル、鉄分…いろいろ成分が違う。だから味も違うに決まってる。ただね、俺が言いたいのは、個性的だから、いいものだからという理由で選べばいいってわけではないこと。調味料探しで大切なのは、素材の良し悪しじゃなくて、自分の作りたい味にぴったり合うかどうかで、意味のある使い方が大切。”素材にこだわってます”ってことじゃなくて、おいしさの追求だと思うんだよね。 |
結局、何を目標に置くかというのが重要なんだよね。
もちろん素材にこだわってその上で、というのが理想だろうけど、どちらを上に置くのかとか。
目指す味によってはよりチープな選択肢を選んだ方がいい場合だってあるし、それは恥ずかしいことじゃない。
かといって逆に、より理想の味に近い選択肢がよりコストがかかる選択肢だった場合、どちらを選ぶかは目指す味以外の部分……店の事情や、もっと言えば店主のそれまでの人生によって決まるんだろうな。
「麺固め、油多め…などの要望には応えるべきでしょうか」という質問には、各店でかなり回答が別れている。
「当店ではすべてに応えています」(東京・荏原中延 多賀野 髙野多賀子氏)、「お店の状況に合わせて柔軟に対応」(東京・東池袋 東池袋大勝軒 山岸一雄)、「できる限り応えるべき」(東京・新宿 竃KAMADO 新宿本店 清水清丈)などという答えの中で、上記カドヤ食堂橘氏は、こう答えている。
Q.麺固め、油多め…などの要望には応えるべきでしょうか。
A.要望は、基本的に受け付けない。 大阪・今福鶴見 カドヤ食堂 橘和良
この味を売り物にしている、これが完成された店の味だという信念を持って出しているので、基本的には、「麺固め」とか「油多め」というような要望には応えません。ただし、高齢の方で歯が悪くて「麺を軟らかめに」と要望される方もいます。塩分制限をしていて「薄味でお願い」というケースもあります。そういう場合もあるので、要望に対して即NOではなく、「お体に気を使ってはるんですか」などと尋ねます。聞き方は難しいですね。「病気なんですか」とストレートに聞けませんし。「そうなんや」ということなら要望に応えるようにしますし、「いや、わし薄味が好きやねん」ということなら「店の味を変えることは出来ませんので」と断ります。 |
こんなことに対して……といっては失礼だが、客の事情と自分の仕事との両立にここまで心を砕いている。だってこれ、かなり面倒くさいことだよ。聞くなら聞く、聞かないなら聞かないと決めておけば、オペレーションとしては楽だもの。でもその面倒くささを厭わないこともまた、仕事のクォリティの1つなのだと思う(もちろん他の店が低いとは思わないよ)。
ラーメン店にとって化学調味料の使用/不使用は切っても切れないテーマで、これについても5人の回答者が答えている。
うちは使っている/使っていないというそれぞれ説得力のある意見(「九段斑鳩では使いません」「豚骨スープの味をまとめてくれる」「使うかは店主のコンセプト次第」「使用の知識が必要」)の中で、佐野実氏の回答が、要点を突いていると思った。
Q.うま味調味料に関しての考えを教えてください。
A.使う人は使えばいい。 神奈川・新横浜 支那そばや 佐野実
スープを毎日とっていると、ブレが生じる。このブレ(おいしい時とおいしくない時)を安定させるためのものがうま味調味料だ。うま味調味料を使わずに安定した味にするには、材料をたくさん使わない限りできない。どうしてもブレが出てしまったり、使った方がおいしいと感じるなら、少量使えばいい。 俺も店を始めたころ、うま味調味料を使っていたことがある。その後、使うのをやめたら味のブレが出てしまったのは事実だ。 |
私自身いろいろ実験?で試してみたけど、確かに化学調味料には味を「補助する」というか、そういう働きがあるように思う。だから「ブレ」に対しては耐性が強い。一発勝負の「味」であれば、出来のいい時には全然問題ないのだけども、問題は出来が悪い時であって。店舗を経営する限り、家庭料理とは違って毎日ほぼ同じ味を大量に提供する必要がある。その「悪い時」の保険として化調を使う……「味」の「品質管理」という視点だって、店によってはあり得るだろう。きっと多くの店での化学調味料の存在意義というのはこのあたりにあんじゃないかな。
とはいえ世の中には化学調味料の味を(補助ではなく)メインに味を構成するような店もあるんだろうけど。(^^; でも両者はきっと区別し得る違いがあるように思う。だから化調を使っているというだけで同一視するのも善し悪しかもしれない。
これ↓も佐野氏の意見。昔「ガチンコラーメン道」を見て、そのあまりのスープ偏重にガッカリした記憶があるが、この意見で佐野氏を見直した。
そういえば今年から自家製麺を始めたカドヤ食堂の橘氏の自家製麺を指導したのが佐野氏であるという話を聞いたことがあるなあ。
Q.味づくりはどこから考えるといいのでしょうか。
A.麺から考える。 神奈川・新横浜 支那そばや 佐野実
以前はスープやタレありき、と思っていたが、今は麺から考えて、麺に合わせたスープを作っている。俺にとっては麺が一番大事。ただ、もちろん、麺だけでもダメ。麺、スープ、タレが三位一体となって、初めておいしくて、バランスのよいラーメンを作ることができるから。 |
本書冒頭の「回答者のご紹介」で佐野氏は「全国の食材を歩いて探す、自分で食材を作る(鶏、製麺用粉、器……)など、佐野氏は常にラーメン業界を牽引してきた」とある。自分で鶏や製麺用粉を作るって……養鶏、製粉(あるいは麦の栽培?)までやっているということだろうか……? 凄いねえ。
回答者によって正反対の意見が出たのが、これ↓。
Q.どうしても納得出来ないスープになってしまった日は、臨時休業した方がいいのでしょうか。
A.安易な臨時休業はしない方がよい。 東京・東池袋 東池袋大勝軒 山岸一雄
臨時休業するかしないかは、その人が決めることで、なんとも言えません。ただし、満足出来ないからといって、安易に臨時休業するのは良くないことです。最初の頃は、満足出来ないからといって、スープを捨てたり、お店を休むこともあるかもしれません。しかし、満足出来ない、まずいスープを作ったのは本人です。お客様ではありません。あきらめずに、そのスープをなんとか売り物になるようにしていくことが大切なのではないでしょうか。もちろん、そのためには技術が必要ですが…。 A.潔く閉めたほうが良いと思います。 東京・湯島 ら-めん天神下 大喜 武川数勇
お金をもらってラーメンを提供している以上、一定以上のレベルに達していないものをお客様に出すことはできません。生で取り寄せている鶏ガラが届いたときに傷んでいたり、1日1回しか炊いていなかったスープが、夕方に煮詰まってしまったり…店を始めたばかりの頃は、そうした理由でスープが用意できないことが何回かあって、実際に店を閉めたことがありました。 A.極力営業します。 東京・大崎 六厘舎 三田遼生
でもそういう場合は謝るしかない。私は次に使ってくれるように、無料券を配って謝りました。 精一杯スープの調整はします。オープン時間に間に合わなくとも、精一杯調整して、出せるように努力します。その調整の結果、1時、2時になってもオープンさせるべきです。 A.お客様を裏切るな。 福岡・博多 博多一風堂 河原成美
どうしても満足出来ないスープが出来てしまう時点でプロではない。出来が良くなくても開店までに一定レベルまでおっつけるのがプロ。お客様は営業しているものと思って自分の店を目がけてわざわざ足を運んでくれる。絶対に裏切ってはいけない。 A.その店のポリシー次第で。 東京・九段下 九段斑鳩 坂井保臣
いい加減なラーメンはお客様に出したくない、と開店してから1年半くらいまでは、納得がいかないラーメンしか出来なかった場合には、たまに店を閉めていたこともありました。でも、今はそういうことはありません。スープに満足がいかない時の味の直し方を覚えたからです。 この質問は、どれが正しい答え、というものがある訳ではなく、その方のポリシー通りにやることが大切なんだと思います。「わざわざ来てくださった方がいるのだから、なんとしても店を開けなければ」と考えるのか、「いつも自分が納得したおいしいラーメンを出したいから、ちゃんと出来なかった時は店を閉める」のか。臨時休業をすべきとも、すべきでないとも、一概には言えません。 少し話はそれますが、味のブレは必ず生じるので、バッチリと味づくりをしたいと考えでいます。つまり、「味がどうブレるのかを知る」ということです。僕はスープやタレを作る時には、1g単位で材料を組み合わせていきます。 もちろん、火加減などもいろいろ工夫します。食材のおいしさを引き立たせるためにいろいろと試行錯誤を繰り返します。その結果、「これで行こう」というレシピに辿り着きますが、そこで終わりではありません。そのレシピで、再び試作を繰り返します。そうすることで、初めてその味づくりのブレを知ることが出来るのです。そして、微調整を繰り返していくのです。食べた時に感じるおいしさはもちろん、食べた後の1~2時間の余韻も大切にします。 |
このへんの葛藤なんていうのは特にコンサル視点ではあり得ない話だ。いやもちろん「商品価値を高める」という観点での戦略だってないとは言えないけど、「店を開けない」=「1銭も入ってこない」なのだから、やっぱりコンサル経営的観点から言えばあり得ない話であり、この葛藤こそが各店主たちが自分たちの商品や客と真摯に向き合っているかの証拠でもあると思う。
このあたりで意見がバラバラに別れるところがこの本の楽しいところというか、各店主が情熱を込めてラーメンを作っている(単なる金儲けの商品として捉えていない)ことが伝わって、読者に訴える部分なんだと思う。
こういうのを読んじゃうと、前述のコンサルDVDの、
……素人の方は極端に言うと、味が分からない。凄い極端な話です。でも、その方には見せ方次第でいくらでも旨そうに見せられるんですよね。事実うちのおつき合い先は、味についてはほとんど差がないです。差がなくて見せ方を変えていく。それだけで昨(年同月期)対120%とか130%とかいくんですね。…… |
なんて話はバカらしくってね。(^^;;;
#まあ世の中の「バカらしい」ことの多くは、レイヤーが違うものを同一レイヤーで見ようとすることからそう見えてしまうだけだったりするんだけどね。
たいたいの質問は回答が2~3コなのだが、5~6コある質問もあった。その分意見が分かれたりそれぞれ個性のある回答だったということだろう。
回答の多かった質問を、キャッチのみだけど、ご紹介。
- いい材料を使わなければ、いいスープのタレはできないでしょうか。
- 「食材は料理との相性とバランス。」(中村屋 中村栄利)
- 「必ずしもそうでは無い。」(博多一風堂 河原成美)
- 「そんなことはない。」(支那そばや 佐野実)
- 「そんなことはないと思います。」(九段斑鳩 坂井保臣)
- 「いいものを選べる目を持て。」(なんつッ亭 古谷一郎)
- 「いい材料を大衆価格で売りたい。」(カドヤ食堂 橘和良)
- 水についての考えを教えてください。
- 「水選びも他の材料選びも同じ。」(中村屋 中村栄利)
- 「においをしっかり取り除く必要があります。」(龍旗信 松原龍司)
- 「水は大事です。」(砦 中坪正勝)
- 「15年前から逆浸透膜水。」(支那そばや 佐野実)
- 「水の硬度・軟度がスープに影響。」(竃KAMADO 新宿本店 清水清丈)
- 「スープに厚みを出す水に整える。」(69’N’ROLL ONE 嶋﨑順一)
- 「今日のスープはいいスープだ」と感じられるのは、どの段階ですか。
- 「白金豚のだしが決め手!」(カドヤ食堂 橘和良)
- 「麺をスープに入れた瞬間です。」(本丸亭 金丸透)
- 「ポイントは4段階あります。」(砦 中坪正勝)
- 「味の違いが分かる感性を。」(ちばき屋 千葉憲二)
- 「骨を足して色が付いたときの味見。」(なんつッ亭 古谷一郎)
- タレづくりで一番注意している点はどこですか。
- 「誰にも真似できない自分だけの味。」(せたが屋 前島司)
- 「配合比率と材料選び。」(青葉 芳賀良則)
- 「温度を一定に保つことです。」(砦 中坪正勝)
- 「仕込む時の温度です。」(多賀野 髙野多賀子)
- 「塩分濃度を一定にすること。」(なんつッ亭 古谷一郎)
- 「安定させることです。」(胡心房 野津理恵)
- 麺を選ぶにあたって、一番重視すべき点は何でしょう。
- 「安全性を重視しています。」(多賀野 髙野多賀子)
- 「スープとの相性。」(青葉 芳賀良則)
- 「スープとのバランスです。」(六厘舎 三田遼生)
- 「スープとの相性。」(胡心房 野津理恵)
- 「”作りたい理想”が大切。」(中村屋 中村栄利)
- 「小麦粉の香り。」(69’N’ROLL ONE 嶋﨑順一)
- 味は少しずつ変えていった方がいいでしょうか。
- 「イメージを大切にする。」(中村屋 中村栄利)
- 「絶対、ということではないのでは。」(九段斑鳩 坂井保臣)
- 「スープの状況を見極めて微調整を。」(大勝軒 山岸一雄)
- 「同じ味を出していくほうが不自然。」(カドヤ食堂 橘和良)
- 「磨きをかけていくことは必要です。」(道頓堀 庄司武志)
- 人気を常に高めていくためには何が必要でしょうか。
- 「自分自身を高めていくことが必要。」(本丸亭 金丸透)
- 「変わらないために変わり続ける。」(博多一風堂 河原成美)
- 「いつもスタートの気持ちを持つ。」(せたが屋 前島司)
- 「クオリティーを初めとして3つ。」(青葉 芳賀良則)
- 「おいしいラーメンを作ることです。」(大勝軒 山岸一雄)
- 「ラーメンに真剣に向き合うこと。」(大喜 武川数勇)
次の「名言」に入れようと思う言葉もいくつかあった。せたが屋前島司氏の言葉が一番多かったかなあ。
☆うちの店は、お客様でもなく俺でもなく、ラーメン様が一番偉いから、ラーメンを作りやすい環境に整えることがもっとも重要でした。
── 嶋﨑順一。『有名店主が答える開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック』より。
☆ラーメンを完成させるためにメンマは必要。顔でいえば眉毛みたいなものです。 ── 前島司。『有名店主が答える開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック』より。
☆10年前に『博多一風堂』のラーメンを食べておいしい、と思ったお客様が10年ぶりに店に足を運んでくださったとする。そこで10年前と同じことをしていたら、多分、そのお客様は満足されない。だから、変わらないために変わり続ける。 ── 河原成美。『有名店主が答える開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック』より。
☆人気があると言われるのは、すごく嬉しいことですが、人気なんていつの間にか消えてしまうのが、今のラーメン業界です。新しくておいしい店がどんどん増えていますが、僕はそんな新しい店を先輩だと思い、その先輩を追い抜こうと、いつもスタートの気持ちでやっています。なぜなら、新しい店は古い店のいいところを見習い、凌駕しようと研究を重ねてオープンさせていますから、高を括っていると置きざりにされます。追われるよりも追う気持ちが大切だと思います。 ── 前島司。『有名店主が答える開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック』より。
☆損得勘定もいけません。トラブルを程度で図って対処するのではなく、些細なことでも常にMAXな気持ちで挑む姿勢が必要です。お客さんにはトラブルがきっかけでリピーターになってもらう、それくらいの気持ちにさせる大げさなケアをした方がいいのです。 ── 前島司。『有名店主が答える開業法・味づくり・経営のラーメンQ&Aブック』より。
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突然食いたくなったものリスト:
- シュークリーム(クリームはカスタードのみ)
本日のBGM:
ねえ /荻野目洋子
4 個のコメント
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買わずに読破した気分。ありがとうございます。
(^^;;
楽しんでいただけたのなら幸甚です。
こんにちは。
>これ↓も佐野氏の意見。昔「ガチンコラーメン道」を見て、そのあまりのスープ偏重にガッカリした記憶があるが、この意見で佐野氏を見直した。
どうやら,氏は山形県のラーメンを食べたことが,製麺を始めた理由の一つのようです。
>「15年前から逆浸透膜水。」(支那そばや 佐野実)
私が水冷PC用に使っている精製水(逆浸透膜水と似たようなもんじゃろう)を使って一度麺を打ってみようかな?
こんにちは。
水冷PC、いいですねえ。
本田宗一郎も大喜びですね。(^^;;;
ちなみに佐野氏はこの後、
「しかし、これだけでは水のミネラル成分まで奪われてしまう。そこで、ここにセラミックでミネラルを補給し、さらに一晩寝かせた水をスープや麺に使用している」
と言ってます。
「水にありがとうと言い続けます」
とか言い出す人がおらずひと安心です。(^O^)