少し前に「「ネット上にない」ということ」というエントリで書いたこととかぶると思うけれど……。
昔、RCサクセションというバンドがあった。
忌野清志郎、チャボのバンドね。
今のワカイモンは知らないエピソードなのかもしれないが、知っている世代にはインパクトのあった話。
まだソ連も全面核戦争の危機感もあった時代。チェルノブイリ原発事故があり反原発運動もリアルだった時代。
RCサクセションの『COVERS』というアルバムと先行シングルが、発売日(アルバム08/06、シングル06/25予定)の直前で発売中止になってしまった。
反核・反原発を歌った曲が入っていたから。
詳しい経緯は「COVERS – Wikipedia」にも載っている。
これによると……経緯はこうだ。
本来は、所属レコード会社の東芝EMIから発売される予定だった。しかし、「ラヴ・ミー・テンダー」と「サマータイム・ブルース」で反核・反原発が歌われており、特に後者は露骨な原発批判のため、自身が日本の原子炉サプライヤーでもある親会社の東芝からの圧力がかかり、先行シングル「ラヴ・ミー・テンダー」ともども、「素晴らしすぎて発売できません」という新聞広告(1988年6月22日付全国紙)と共に発売中止となる。 |
この広告とは、こんな感じ。
この広告は月刊雑誌の広告
この衝撃的な(^O^)「中止理由」といい、そのほんとの理由といい、かなりインパクトのあった「事件」だった。
……とまあ、それはそれとして。(^^)
このWikipediaの記事は、
「すばらしすぎてはつばいできません」
を、
「素晴らしすぎて発売できません」
と表記している。
しかし↑の広告を見てもらえばわかるように、本当の表記は、
「素晴しすぎて発売出来ません」
だ。
ではこのあたりの表記でググったりヤフったり(^O^)してみるとどうなるか。
検索結果 97 件。
約502件
他にもやってみる。
検索結果 10 件。
約15件。
検索結果 5 件。
約14件。
ところが、実際に広告に使われた表記「素晴しすぎて発売出来ません」でググってみるとどうなるか。
検索結果 1 件。
約1件。
Google、Yahoo!ともに、引っかかるのは私のサイト(「名言 – す」)のみ。(^^;
もし今、こういう「事件」が起こったら、それこそネット上には書き込みが溢れるだろうし、それぞれ別々のプロセスで上げられるわけだから、(不正確なものも含めて)正確なものもちゃんとオンラインになるだろう。
それに比べて1988年という、たった21年前の(それも決してマイナーではない)出来事に関してはこうなのだ。
「ネット環境がほぼなかった」時期だというだけで、これだけの事件が、正確な表記を誰も書けないくらい遠い話になってしまっている。
……何度も言うが、「ネット上にない」ということは「実際にない」ことではないのだ。
ネット上にないということは、単に「ネット上にない」というだけのこと。
きっと「何わかりきったことを」と言うだろうけど、いやそう言ってもらいたいわけだけども、案外、油断するとそういう思考をしていることがあるような気がする。
どうだろう。
突然食いたくなったものリスト:
- ピザまん
本日のBGM:
Love Me Tender /The Timers
Summer Time Blues /RC SUCCESSION
上はタイマーズでのライブ。リスナー以上に「音楽のチカラ」を東芝は信じていたってことかな。
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