ちくわパンの変貌

 先日、コンビニでフジパンちくわパンを見つけた。
 
 久しぶりだ。
 
 前にこいつに出会ったのは、もう6年前のこと。
 
 6年ぶりに出会ったちくわパンを喜んで買ってみたが、前ほどには「うまい」と感じなかった。
 とはいえ6年前がどういう味だったか、あんまり覚えてないんだけどね。

 確かあったはずだと6年前に撮った写真(「調理パンのカオス」)を引っ張り出してくると、実はちくわパンは大きな変化を遂げていることがわかった。


2009年のちくわパン


2015年のちくわパン


 そう、ちくわに入ってるものが違うのだ。
 
 2009年のちくわパンのちくわに詰められていたのはツナマヨ。
 2015年のちくわパンのちくわに詰められているのはチェダーチーズ入りチーズクリーム。
 
 チェダーチーズ入りチーズクリーム。
 
 復唱します。
 
 チェダーチーズ入りチーズクリーム。
 
 むぅ。
 
 上品になりやがって……。
 
 しかし、これが「進化」かどうかはわからない。
 
 ひょっとしたらただの「迷走」かもしれない。
 
 どっちだろうな。
 
 難しいところだ。
 
 私は「堕落」と呼びたいところだが。

 

 金持ちの話は不快なのでやめることにして「貧乏」と「貧困」の違いについてはっきりさせておくことにしよう。
 似たような言葉でも「ブルースブラザーズ」と「ブルックスブラザーズ」では全然違うように貧乏と貧困もかなりその性質を異にするものなのだ。
 私の考えによれば、貧困は単なる経済生活の一状態を示す述語だが、貧乏は文化的、生理的、精神的な背景までをも含む、より包括的な概念だ。それ故、貧困は遺伝しなくても貧乏は遺伝するのである。
 もっと分かりやすく言えば、貧困とは昼食にボンカレーを食べるような生活のことで、貧乏というのはボンカレーをうまいと思ってしまう感覚のことである。
 ついでに言えば、中流意識とは、ボンカレーを恥じて、ボンカレーゴールドを買おうとする意志のことだ。私はといえば、ボンカレーがうまいなんて思わないが、食い物に金を使うのは惰弱な人間のすることだと思っているので、よく食べる。これは「清貧」という。

── 小田嶋隆『我が心はICにあらず』より。

 

ゴージャスの対義語は、「貧乏臭い」である。「地味」ではない。このへんの意味をないがしろにしたせいで、「派手(でも本人はゴージャスのつもり)で貧乏臭い」という最悪の現実を招く結果となったりするのだ

── ナンシー関『テレビ消灯時間』より。

 


 ちくわパンについて少しググってみると、こんな記事があった。
 
【北海道発】幻の「ちくわパン」が10月1日より全国発売! ちくわとパンの相性が絶妙すぎて悶絶するヨ!!
 
 1ヵ月半ほど前の記事だ。
 これによると、
 
2015年10月1日、フジパンの「まるごとちくわ ちくわパン」の発売が開始されたぞ!! これまで一部のコンビニでのみ限定発売されていた、あの幻の「ちくわパン」がついに全国区に
 
 記事ではメーカー(フジパン)の人にも話を聞いている。
 
「初めて発売したのは2007年2月からで、そこから継続して発売している形ではなく、期間を限定して毎年発売をしております。その際、商品を少しずつリニューアルを重ねながら、よりおいしい『ちくわパン』をお客様にお届けできるよう努めております」
 
 なるほど。
 私が見かけたブランクの理由はこういうことだったのか。
 「一部コンビニでのみ」、しかも「期間を限定して」発売されていたから、と。
 
 2007年の発売というから、私が最初に食べたのは発売3年目のものということになる。
 
 記事中気になるのはちくわの中身の話。
 
 現在、「チェダークリーム入りチーズクリーム」となっているが、このパンのモデルとなったという北海道のちくわパンの中身は「『ツナマヨ』が基本」ということだ。
 
 私が最初に食べたちくわパンの方が、今のよりオリジナルに忠実だったわけだ。
 それがなぜこんな姿に……。(>_<)
 
 この記事にはちくわの中身がいつツナマヨからチェダークリーム入りチーズクリームに変わったのかは書かれていない。というか、かつてフジパンちくわパンにツナマヨが入っていたことそのものに触れていない。
 
 で、ググってみた。
 
 といってもいつ、どう変わったかはっきり書かれたページは見つけられなかったので、画像検索。そこに上げられているパッケージに書かれている賞味期限で判断しようというわけ。
 
 ググった結果がこれ。
 

消費期限
ちくわの中身 写真 備考
2007.03
チーズクリーム

2008.02
チーズクリーム

2009.02
チーズ味のマヨソース ブログ
2009.10
チーズ味のマヨソース ブログ
2009.10
ツナマヨ ブログ
2010.10
ツナマヨ 記事
2011.10
ツナマヨ 記事
2012.11
チェダーチーズ入りチーズクリーム ブログ
2013.04
チェダーチーズ入りチーズクリーム ブログ
2013.09
チェダーチーズ入りチーズクリーム ブログ
2014.08
チェダーチーズ入りチーズクリーム 動画
2014.10
ゴーダチーズ入りチーズクリーム ブログ
2015.10
チェダーチーズ入りチーズクリーム 記事

 
 思った以上に変遷していた。(゚Д゚)
 
 掲載されていたエントリや記事、そして上がっている画像をから考えて、どうやらちくわパンは2007年から春限定⇒春・秋限定の商品として発売されているようだ。ただ、画像がない季節もあるので、ひょっとしたら年によっては秋のみ・春のみということもあるかもしれない。
 
 どうやらちくわの中身は
 
チーズクリーム
 ↓ 
チーズ味のマヨソース
 ↓ 
ツナマヨ
 ↓ 
チェダーチーズ入りチーズクリーム
 ↓ 
ゴーダチーズ入りチーズクリーム
 ↓ 
チェダーチーズ入りチーズクリーム ←New!

 
 と変遷したようだ。去年、いちどチェダーチーズ入りチーズクリームからゴーダチーズ入りチーズクリームに変更になったようだが、今期はまたチェダーチーズ入りチーズクリームに戻っている。評判が悪かったのかコストが高かったのか。
 
 しかしいろいろ変わってるねえ。
 さっき、「私が最初に食べたちくわパンの方が、今のよりオリジナルに忠実だったわけだ」と書いたけど、どうやら2007年に最初に発売した時点(チーズクリーム)で既にオリジナルのツナマヨから外れている(私が食べたのは発売3年目のもの)。どういうことだ。
 
 興味深いのはその、ちょうど前に私が食べた頃の2009年10月のもので、市場ではチーズ味のマヨソースとツナマヨが混在している。こんな途中で変えるようなことがあるんだなあ、と。季節ものなら次の季節に持ち越せばいいだろうに。
 
 ただ、これについては別の事情があるかもしれない。それは……


 画像検索をするうちに、また別の、知らなかった事実が判明した。
 
 画像検索をしていて気づいた。
 
 ほとんど同じちくわパンのパッケージなのに、社名が違うものがある。
 
 フジパンロバパンだ。
 
 どれだけ似ているかというと、こんな感じ。



 調べてみると、ロバパンというのは札幌の製パン会社。
 フジパンと2005年5月に業務提携している。
 
 Wikipediaによると、
 
フジパンと資本提携しており、食パン「本仕込み」などフジパンのブランド商品を生産販売している
 
 という。
 なるほど似ているはずだ。
 
 フジパンの商品は、北海道ではロバパン、それ以外ではフジパンブランドで売るということのようだ。
 
 思えば先の記事(「【北海道発】幻の「ちくわパン」が10月1日より全国発売! ちくわとパンの相性が絶妙すぎて悶絶するヨ!!」)に、ちくわパンは札幌のDONGURIという店が元祖とあるとおり、おそらくフジパンちくわパンもこれを手本にしたのだろう。
 
 とすれば、札幌のロバパンと資本提携して2年後にフジパンからちくわパンが売り出され、同じ商品が北海道ではロバパンブランドで売られている流れは何となく想像できる。

 ネットを漁ると、ロバパンちくわパンを食べたレポート記事もあった。
 
ロバパンちくわパンを食べてみたよ。

 で、面白いことにちくわパンの最初の製品こそ両社とも中に入ってるのはチーズクリームだが、その後フジパンちくわパンがいろいろ中身を変えているのに対して、ロバパンちくわパンは一貫してDONGURIと同じツナマヨで通しているのだ。
#↑の両社のちくわパンを並べた写真をよく見比べていただきたい。
 
 ひょっとしたら2009年秋に「チーズ味のマヨソース」のちくわパンが何らかの事情で作れなくなり、そこに北海道でロバパンが作り続けていたツナマヨ版を急遽採用したとか……? まあこれは推測。
 
 ツナマヨでいいのにねえ。
 
 ロバパンちくわパンは今でもツナマヨ。
 素晴らしい。

 そういう事情だから、こちらではフジパンのCMといえば松下由樹だが、北海道ではロバパンのCMに松下由樹が出ている。
 
 こんな↓感じ。


 知らんかった。(^O^)
 
 マークもそっくり。

 ちくわパンを食べたことから始まって、いろいろ足を取られてしまった。(^^;

 「「札幌でちくわパンと言えばDONGURI」」ということだから、いつか北海道に行った時には食べてみたいと思う。
 
 あと、ロバパンにはこんな素敵な商品もあるようだ。少なくとも今年の春にはあった。まあいつまであるかわからないけど。

 素敵じゃないか。惚れ惚れしちゃうね。
 
 あ、もちろん函館のラッキーピエロの再訪も忘れない。

 検索の過程で、他の大手メーカーのちくわパンも見つけた。

ヤマザキ


神戸屋


 毎月新商品が投入される業界だから、みんな、ネタを探しまくってるんだねえ。

突然食いたくなったものリスト:

  • ちくわパン(ツナマヨ)

本日のBGM:
ちょこっとLOVE プッチモニ





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