イカリ120年・ブルドック114年

 イカリソースは1896(明治29)年創業の、最古参に近いソースメーカーだ。
 大阪市福島に本社を置き、テレビCMも打つ、関西では大きな知名度があった。
 
 大阪で「どのスーパーにも必ずあるソース」としては、カゴメのウスターソース、とんかつソース、オタフクのお好み焼きソースだが(カゴメは愛知、オタフクは広島。大阪でさえ、品揃えが悪いスーパーだとそんなことがある)、それに次いで置かれているのがオリバーとイカリだと思う。

 そんなイカリソースだが、今から10年前の2005年、経営陣による詐欺事件を起こし経営が行き詰まり、会社更生法の適用申請⇒11月、ブルドックソースの子会社となった。
 
 折しも、ソースメーカーとしては後発ながら積極的な拡大策でシェアを伸ばし業界トップも視野に入れてるオタフクソースが同年4月、東京のユニオンソースと資本業務提携を結んでいた。
 
 イカリソースを傘下に収め、ブルドックは辛くも業界1位の座を保った。
 
 東京のブルドックは、関西だけは非常に弱い。
 お好み焼きソースも、関西でだけは売れていなかった。
 
 そんな中でのイカリソースの買収は、ブルドックにとって大きな力になると思われた。
 
 しかし。
 
 その1年半後の2007年5月、ブルドックソースに大きな「事件」が起こる。
 アメリカの投資ファンド「スティール・パートナーズ」に敵対的買収を仕掛けられた。
 これに対してブルドックが用いた防衛策は最高裁にまで持ち込まれる(「ブルドック事件」)が、それでもブルドックは買収から独立を保つことができた。
 
 ブルドックソースがスティールに狙われるのにも理由はあり、当時読んだ記事の記憶では、業界1位の地位に甘んじて積極的な経営姿勢がなく、そのためポテンシャルに対して企業価値が上がっていない=お買い得な企業だという話だった。
 
 確かに後発ながら業界トップを伺う(いや、もうトップなのかな?)オタフクの積極性に比べて、ブルドックが積極的だという印象はない。関西にいるから見えないだけかもしれないが、それをいえばオタフクだって関西の企業ではない。
 
 2010年のものだが、こんな記事もあった。
 
ブルドックソースの十字架、敵対的買収こそ切り抜けたものの…”公約”も絵に描いた餅 (東洋経済)
 

冒頭のスティールは08年にブルドック株を全株売却。他の日本企業への出資割合も次々に引き下げた。当時交渉に携わった担当者は、「買収提案の際、スティール傘下の米レストランチェーンとの提携による販売量増加を提案したが、採用されなかった」と打ち明ける。「人口縮小で内需に期待できない中、海外市場にも積極展開をしておらず、永続的に企業価値を上げようと努力しているようには見えない。上場企業としては不十分」と手厳しい。

 
※これとは対照的に、オタフクは2011年には中国とアメリカに新工場建設計画を発表し、いずれも2013年に竣工させている。そして現地法人でお好み焼きそのものの普及活動を含めた営業活動を行っている。
 
 こんな調子で、買収騒動のいざこざ自体が影響していることもあるだろうが、ブルドックはせっかく手に入れた関西の足場、イカリも積極的に利用しているようには見えないし、そういう意志も感じられない。
#最近スーパーでよく目にする、かなり廉価なイカリソースのウスター、とんかつソースは明らかにカゴメにぶつけてきており、そういう意味では少しはブルドッグの戦略が見える気がするのだが。
 
 ところが最近、改装したスーパーに行くとソース売り場でこんな棚を見つけた。


「西のイカリ、東のブルドックのいわれは?」


イカリとブルドックを並べて、1列そのまんま、棚を確保している。


 やっと、イカリを有効に活用して関西でのシェアを伸ばそうという意思が感じられる行動を見た。
 たったこれだけだけど、この程度のことすらこれまでできていなかったのだ。
 
 これが新しい動きの表れなのか、たまたま営業担当が思いついただけのことなのかはまだよく判らない。
 
 ただ、大阪人に愛されたイカリソースを救ってくれたブルドックソース。是非頑張ってもらいたいと思っている。

突然食いたくなったものリスト:

  • エキゾチップス トムヤムクン味

本日のBGM:
猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」 /ももいろクローバーZ





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