きんぴらゴボウと玉子のサンドイッチ

 昔、パン屋でバイトしていたことがある。ずいぶん前なので、記憶は薄くなってるけど。
 そこは食パンや総菜パンだけではなく、サンドイッチも作っていた。
 
 タマゴサンド、ハムサンド、カツサンドという定番の他にも、ちょっと変わったサンドイッチもあった。
 その中で、私がとても好きだったサンドイッチがある。
 あまり他では売ってなくて、しかもおいしいので紹介しておきたい。


 それはきんぴらゴボウ玉子サンドイッチ。
 いや、店で売ってたネーミングはこんなのじゃなかったけど、わかりやすいから。(^^;;
 私はこれが好きで、よく賄いでこれを食った。
 
 今でもたまに自分で作る。

 店で出していたのはこんな感じ。
 
【材料】
・山形食パン
・カラシマヨネーズ
・タマゴフィリング
・きんぴらゴボウ
・レタス(あったかどうか、記憶が曖昧…)

【作り方】
・山形パンをトーストにする。
・パンにカラシマヨネーズを塗る。
・タマゴフィリングを広げる。
・きんぴらゴボウを広げる。
・(レタスを置く。……あ、やっぱりこれはなかった気がするなあ)
・カラシマヨネーズを塗ったパンを重ねる。
・パンを半分に切る。切る方向はタテ。食パンと違って山形パンだから長辺と短辺があるが、長辺に平行に切る)

 
 ちなみにきんぴらゴボウは業務用総菜をそのまま使っていた。どれを使っても同じかと思うとそうでもなく、別の問屋が扱っている安いのに替えたら格段に味が落ちた。
 この前業務スーパーに行ったらきんぴらゴボウのパックが98円で売られていた。自分で作るにはこれを使えばいいと思う。
 
 普通のサンドイッチは耳を落とすけど、このパンは落とさず作ってた。ちなみにサンドイッチの耳を落とす時はほんの少し、薄く残るように切る方が形くずれがしなくてよかった。
 
 パンを切るには波形のパン切り庖丁を使っていた。これが高いくせに短期間でヘタる。波形なので研げないから、頻繁に新しいのに替えてたみたい。用済みのを1本もらったやつを、私は今でも家で使ってる。
 
 パンを切る時はためらわずさっと切る。じわじわやると形が崩れるし断面も汚くなる。
 
 タマゴフィリングは店で作っていた。茹で玉子のカット?の仕方が家で作るのとは違う。大きなボウルの上に網の目の大きな(5mmくらい)ザルを置き、ザルの目に固茹で玉子を押しつける。ザルの目を通った玉子はボウルに落ちる。単純だけど初めて見た時は感心したもんだ。あとはそこにマヨネーズとかを入れて混ぜて完成。玉子は足が速いから要注意食材。
 
 パンはトーストにした方がおいしい。

 甘辛醤油に玉子なんだから、そりゃおいしいよね。\(^O^)/
 
 レタスはなかった気もする(他のと記憶が混じっているような)けど、入れてもけっこうおいしいと思う。
 しかしレタスもフニャフニャになるのは早いので、作ってすぐではなく数時間後に食べる用なのであれば入れない方がいい。食感がかなり悪くなる。

 サンドイッチは店で売るだけではなく、他の店にも卸していた。
 主な顧客はパチンコ屋のコーヒーコーナーと、パン食べ放題が売りのレストラン。
 「パン食べ放題が売りのレストラン」って自分の店で作ってるんじゃ?と疑問に思うかもしれないが、店で食べ放題にしているのはオーブンで焼くだけでいいパンであって、持ち帰り用のサンドイッチは(少なくともその系列のレストランは)他から買っている。もちろん普通のパンに比べて格段に手間がかかるから。手間がかかるってことは、コストがかかるってこと。時間にせよ材料費にせよ、人件費にせよ。
 
 考えればわかるけど、普通のパンは焼いたら終わりなのに対し、サンドイッチはパンを焼いた後それを加工しないといけない。(仕込んでおいた)具をセットして、挟んで、切って、パッケージング……、普通のパンの何倍もの手がかかる。なのでサンドイッチは同じ「パン」といってもコスト面では別物と考えた方がいい。
 
 ホットドッグ、焼きそばパンなどのドッグパンはその中間くらいかな。
 パンに包丁で切れ目を入れて具を入れるという作業だって、それなりに手間はかかる。サンドイッチよりはかなりラクだけど。

 ちなみにその店のホットドッグは全然おいしくなかった。(^^;;
 まずソーセージがおいしくなかったし(コストかけられないのもそうだけど、その店はそこまでこだわりがなかったというのが大きい)、パンもひどかった。その店では前日に余った生地をドッグパンに使っていたので、日によって凄く甘かったり味がなかったりしていたのだ。

 そういえば昔、ロンドンに行った時、街ではよくテイクアウト用のサンドイッチが売られていた。それがえらい高くて驚いた記憶がある。幾らだったか忘れてしまったけど、1つ(食パン2枚で作る量)で800円くらいしたんじゃないだろうか。
 このあたり、ひょっとしたらユニオンの強さが関係してるのかもなあ、と今になって漠然と思う。

 つまらない小細工。
 ハムサンドのハムは1つのサンドイッチに1枚だけど、2つ折にして使う。
 そして正方形の食パンの、対角線方向に斜めに置く。
 
 なぜかは想像できると思う。
 こうすると、三角形のサンドイッチの断面ではハムが2枚あるように見えるから。
 まあ売り物だからねえ。
 
 だから売り物のサンドイッチの多くは断面に具が集中している。

 カツサンドのソースはとんかつソースの他に、マヨネーズ、ケチャップ、カラシを混ぜていた気がする。ちゃんと見ておけばよかった。
 
 ソースメーカーはカツサンド専用のソースを作って売り出せばいいのになあ。不思議なもので、ハムカツだろうが何だろうが、あのソースを使うと「カツサンド」って味になる。けっこう特徴的な味だと思うよ。

 焼きそばパン専用ソースはある。このブログで昔、紹介したことがある。
 
焼そばパン専用焼そばソース
 
 でも正直、他の焼そばソースに比べて大きな違いは感じなかった。
 カツサンド用のソースは普通のとんかつソースよりかなり違うから、それなりに需要はあると思うんだよなあ。業務用含めて。

 その店では普通の業務用の焼そばソースを使っていたと思う。
 具は肉だけだったような気がする。
 そして固茹で玉子のスライスが1枚載っていた。

 コストダウンもしてたけど、その店のサンドイッチはかなり良心的だったんじゃないかと思う。
 タマゴフィリングではなく玉子焼きを入れるサンドイッチもあったけど、その玉子焼きも店で焼いていた。
 生玉子を裏ごしして、家庭用の普通の四角い玉子焼き用のフライパンで1枚ずつ。
 
 玉子焼きのサンドイッチは、玉子にケチャップを薄く塗る。とてもおいしくて、断面の彩りもいい。

 辞めてずいぶん経ってから一度その店に行ってみたことがある。
 パン屋さんではあったけど、私がバイトしていた店はもう廃業していて、別の人がやっていた。
 効率が悪くて向上心もあんまりなかったから、まあそういうもんかなあと納得したりしみじみしたり。

 ↓「突然食いたくなったものリスト」の中に「寺川ベーカリーのカレーパン」と書いたけど、私がバイトしてたのはこの店じゃないです。
 この店のカレーパンは、まずカレーがおいしかったし、福神漬けをつけるというこだわりも素晴らしかった。
 
※この部分、書いた後に誤解を生むかもしれないと思って追記した。

突然食いたくなったものリスト:

  • 寺川ベーカリーのカレーパン

本日のBGM:
The Gods Made Heavy Metal /MANOWAR





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