天保山くいしんぼ横丁にあった○丈が移転した。
確か天保山麺哲が同じ場所で○丈と店名変更し独立したのが2年前の年末だった。(その頃に書いたエントリ⇒「○丈@天保山」)
おそらく天保山くいしんぼ横丁の契約更新が2年ごとなんだろう。
そこで出る決意をしたのだと想像する。
確かに大阪の外れといえば外れだもんねえ。
そこで○丈店主が移転先に選んだのは大阪・千日前だった。
このあたりは最近はなかなかの激戦区になっている。
この近くには先日ドカ盛りマッチョが出店したし、宗家一条流がんこ十八代や大阪大勝軒日本橋店、少し足を伸ばせば二代目玉五郎などの人気店もある。まあ大阪の千日前といえばいくらでも食べ物はあるのでラーメン・つけ麺という括りを外して人気店を挙げればキリがないけれど、麺類でいえば釜たけうどん、千とせがある。
こういう人気店がひしめく「激戦区」だが、立地からして胃袋の数もかなり多いので客の奪い合いになることはなく、むしろ活性化の方向に向かうのだろう。
その意味では○丈店主のこの判断はなかなかよかったんだろうと思う。
で。
都合がついたので移転オープンの当日(2010/12/21)に行ってみた。
当日はあいにくの雨。
雨降って地固まると申しまして。
いろんなところから花が来てた。のれんはもちろん「贈 豊中麺哲」
雨の影響があるのかないのか行列はできていなかったが、それでも10分ほど店外で待って入ることが出来た。
#カウンター席のみ10席くらいだったと思うが、行列ができているのに(私が出る頃には5~6人が列んでいた)天保山の時の常連と思われる客がずっと長居していた。わかるけどこういう日はちょっとは慎め。(^^;
メニューは移転後すぐということで麺メニューは中華そば(東大阪高井田風)とそのバリエーション(大とか肉増しとか)のみ。
私はまだ食べてないつけ麺を目当てに行ったので、これは残念だった。
準備中
となれば注文は中華そば(¥650)しかない。
あと、「○丈に来れば頼まないと」と何度か言われたことのあるおつまみ盛り合わせ(¥500)……そうなるとビールも。(^^;
この混み具合なので少し待ち、登場したのがこれ。
中華そば(東大阪高井田風)(¥650)@○丈
具はメンマ、チャーシュー、煮玉子(これは雨の日のサービス)。
麺は太めストレート。
スープは鶏ガラ豚骨?醤油。
一見で2年前に食べたのと変わっていると感じたのはメンマ。
前回はメンマがダメだと書いた記憶があり、しかしあれはあれでよかったかなあと後で思ったりもしていたが、今回のはまたひとつ印象が違っていた。
かなり煮込んでいるといえばいいのかな。軟らかくて味がかなり濃くついていた。
仕込んで時間が経つとこうなるけど、さすがにオープン初日なのでこれは意図的だと考えるべきなんだろうな。
でもこれはこのラーメンにはあんまり合わないように思うな。
とはいえ全体的には非常に出来のいいラーメンだった。
麺も太め
友人はコショウが利きすぎだと言っていたが私はそうは感じなかったし、麺もチャーシューも非常にクォリティの高いものだった。
チャーシューの柔らかさと切る厚さ、そこから出る脂とそれと混じる醤油、スープのうまみと甘み。このスープを麺と一緒にツルツルツルッと口に流し込む。薄切りのチャーシューと太めで歯ごたえをちゃんと残す麺の歯ごたえがこれまたイイ。喉ごし、後味も心地よい。
このまとまりはなかなか。
前回食べた時とは結構印象が変わった。
あっちゅーまに食べ終えた。
うむ。
これはいいよ。
立地のせいでこれまでいけなかった人も、一度は行ってみるべし。
ハシゴがしたいのならここと宗家一条流がんこ十八代か釜たけうどんで決まりだ。
この後出てきたおつまみ盛り合わせもたまらんかった。うまいねえ。ビールが進む進む。
おつまみ盛り合わせ(¥500)
いろんな種類のチャーシュー(だけじゃない)があり楽しめる
移転オープンの記念品としてこんな缶バッジを配っていた。
さてどこにつけようかね。(^^;
○丈バッヂ
……そういえば前述の通り、ラーメンに載っている煮玉子(丸1個)は雨天時のサービスだそうだ。
店主は「玉子が凄い勢いで減っていく。このサービスやめようかな(^^;」とボヤいていた。まあ冗談だろうけど。
それは「サービスしますが入れますか?」と聞かずに初めから入れるからってのもあるんじゃないかなあ。現に玉子が苦手な友人の丼にも問答無用で(^O^)入ってたから。
その友人のように玉子はダメという人やお腹いっぱいになっちゃうから要らないという人もいるだろうし、一応尋ねてみたらいいのに。
ただ、店は店主と女の子の2人でまわしているのでそのやり取りをして可否を分けるという手間が結構な負担になるだろうというのはわかる。
このへん微妙だねえ。
ただ、せっかくのサービスがみんなを幸せにしないならもったいないじゃない。
いいラーメンだ。うん。
ただ、1つだけ、まあ気にならない人には全然どうでもいいこだわりなので聞き流してくれればいいんだけど……くらいの話が。
このラーメンは前よりずいぶん印象がよく、うまいと思った……だから余計にこの名前が気になる。すまんねえ。
前回も書いた話だけど、このラーメンに「高井田」という名前が必要だろうか。
以前○丈氏の師匠である庄司氏にその意図を聞いたことがあって、それはそれでなるほどと思った(誤解しているかもしれないけど)。
── つまり、天保山というのは大阪の観光地としてはかなりメジャーな場所で、つまり府外の人が多く来る場所だ。だったらその場所でやる「意味」というのがあるだろうと。
大阪というのは「ご当地ラーメン」不毛の地と言われていてそれは間違っていないのだけれど、それでも布施・高井田というかなり狭い範囲の中で「高井田ラーメン」というご当地ラーメンが存在する。これは本当に局地的なので大阪の中でも全然メジャーじゃない。しかしあるにはある。
また○丈の店主丈六氏の出身である和歌山には「和歌山ラーメン」と呼ばれるご当地ラーメンがある。こちらは井手商店のおかげで全国区の名前になった……と思う。
これらの「ご当地ラーメン」を、府外、あるいは関西以外から来る観光客に、「大阪(関西)にもうまいご当地ラーメンがあるよ」と正面からぶつける ── というのは、その気概やよしというところだろう。
だからああなるほど、ならそれはそれでそういう名乗りを上げる理由も価値もあるよなあと納得した。
ただ、やはりそれらはそのまんまの高井田ラーメンでも和歌山ラーメンでもなく、麺哲流の解釈が入ったものだ。
いやそれはもちろんいいことなんだけど。
でもやはり違うもの。
だからこそメニューにも「高井田風」と書かれている。
これは自信のなさではなく、おそらくむしろその逆だ。
だからこそ、そういった土地の呪縛?から解き放たれたこの移転を機に、メニューから「高井田」の文字は外すべきだと思う。あの場所でなければこのうまい中華そばに「高井田」という名を冠す理由はなくなるんだから。
……ま、ほんと、別に外さなくても店主には何の非もない、私の単なるパラノイアなんだけどね。
突然食いたくなったものリスト:
- 白ご飯に生卵かけて純情屋の出し醤油かけて、少しだけ細かく刻んだわけぎ載っけて、ほんの少しだけ食べるラー油かけたやつ
本日のBGM:
Do They Know its Christmas? /BAND AID
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