違います。
「煤竹で箸を作る」です。
煤竹から箸を削ってみた。
煤竹というのは「古い藁葺き屋根民家の屋根裏や天井からとれる竹」で、「100年から200年以上という永い年月をかけ、囲炉裏の煙で燻されて自然についた独特の茶褐色や飴色に変色しているのが特徴」(「煤竹 – Wikipedia」)。
竹はカビがつきやすいのが問題で、普通の竹を使う場合は天日で干したり防カビ剤を使ったりするのだけども、煤竹はカビにくいので箸にもいい。
ただし本物?の煤竹は貴重品なので非常に高い。
というわけで「人工煤竹」という、ネーミング的にはちょっとアレな(^O^)製品が出回っている。つまり、普通の竹を燻煙加工して煤竹に近いものを作るわけ。
これを手に入れたので、削ってマイ箸を作ってみた。
#以上のような事情なので、竹でマイ箸を作る時はカビに注意。煤竹が手に入らない場合は杉や檜といった殺菌作用のある材木から作るのがいい。
##「ハシ」に「箸」という漢字が当てられているように、竹はかなり昔から箸の材料として使われてきたのだ。
初めて作ったのでうまくいかなかった部分もあるが、煤竹は2膳分買ったので次はウマくやろうと思ってる。
刃物は100円ショップで売ってるカッターナイフのみ。
あとは360番、600番、1200番の紙ヤスリで磨いた。
原木(^O^)
もともとはこういう竹。
といっても、これは今回削った竹そのものじゃない。削る前に写真を撮るのを忘れたので(^O^)、写真はまだ削ってないもう1組の方。今回削ったのは節がないものだった。次回こいつを削る時はもちろん節は残す。
きれいに仕上げるにはカンナを使えばいいんだろうけど、持ってないので(^^;カッターナイフで切った。鉛筆削りの要領。形は完全に適当。ちょっと細くなりすぎたような気もしている。左右対称になるようには意識はしたが、まああんまり神経質にならんでもよろしいやないですか。
千利休は茶席の前に自ら赤杉を小刀で切り出して箸を作ったそうだし、まあこれはれで味だと思おう。自分が使うもんだし。
行程を写真に撮ろうと思ったけど、両手ふさがってるわけで(^O^)、写真は撮れなかった。
要は、それっぽい形に削って紙ヤスリで磨くだけ。
完成品。表と裏(?)
片面のツルツルになってる面(茶色になってる)を削らずに残した。
写真はその両面。
縁起がいいとか悪いとかあるのかもしれないが、そんなのは知らん。(^O^)
9寸杉天削と並べてみた
長さは24.5cm。9寸箸に比べて若干長いが、これはただ単に入手した竹材がこの長さだったから。あまり深い意味はない。
天は削いだ。
天削にしてみた。この長さだし、ちょっと気分を出して。(^O^)
あと、天の部分があまりきれいではなかったから、ごまかす意味もある。
片方(奥)の箸に傷がついているが、これは元からこの部分に傷がついていた。どうやらこの竹を切り出す時に刃物が入り込んだらしい。これはこれで味だからあえて残す。これも味。
先っぽはこんな感じ。先端恐怖症の人でもこのくらいなら大丈夫かな?
使い勝手によってはもうちょっと細くする必要があるかも。
#ちょっと脱線。
箸は中国発祥だけども、中国の箸は先端が細くなっていない。韓国は細くなっているけど金属製で、匙を併用する。匙がなくなって箸だけを使うようになったのは日本独特の特徴なんだそうだ。だから箸で色んな細かい動作ができるよう、細くなったんだろうなあ。
稲作の分布としても……米はジャポニカ米とインディカ米があり、たいていの国では両方作るものなのだが、ジャポニカ米(粘りがある)しか作ってないのはこれまた日本だけだそうだ。米が箸で食べられるようになったことも、「箸だけ」になった理由かもしれない。韓国ではご飯は今でも匙で食べると聞いたことがある。一度旅行したことがあるけど、そこまで見てなかったなあ。
また麦についても「日本は麦飯という、ムギを粒食する世界でもまれな食べ方が普及した」(石毛直道『文化麺類学ことはじめ』)なんて話もあって、やっぱり箸で食べられたわけだ。
脱線終わり。
後で考えたらこの箸で食べるのは麺類が主なので、箸先をそんなに磨く必要はなかったなあと思った。
まあこのあたりはいくらでも調整が利くから。
それに竹は何回も使うとすぐに痩せてくるしね。
というわけで、あっさり完成。
製作時間は……1時間くらいかなあ。
龍旗信ラーメンを食ってみた
突然食いたくなったものリスト:
- 鶏唐揚げ
本日のBGM:
Across The Universe /SCANNER
最近のコメント