本日(2010/10/08)19:00より、USTREAMで「関西ラーメンサミット」という番組が配信される。
10/8(金)に「関西ラーメンサミット」をUSTREAMで生中継!!
http://news.walkerplus.com/2010/1005/17/
この↑サイトによると、番組は2部構成で、出演者、内容はこう↓いうことだそうだ。
第一部(19:00~20:00)の「サミット版ラーメングランプリ」では、過去に某企業でスープの開発にも関わっていた鉄道アーティストの小倉沙耶氏、関西のラーメン食べ歩きブログ「としむねの部屋」が好評の細井俊宗氏、ラーメン本も出版するラーメンコーディネーター福島康和氏と、豪華パネリストが関西エリアの選りすぐりのラーメン店を紹介。そして、ノミネートした店の中から番組視聴者の投票でグランプリを決定する。
そして第二部(20:00~21:00)は「関西のスープ&麺座談会」では、スープに合うオーダーメイド麺を提案する製麺所「麺屋棣鄂(テイガク)」の知見社長、関西のうどん&ラーメンに精通した、日本コナモン協会・関西麺類研究所所長の沖山欣也氏らをゲストに迎え、関西らしい一杯について、熱いトークが行われる。 |
先日(既にバックナンバー)の『関西Walker』2010年19号に掲載された「炎の総力特集! 関西ラーメングランプリ」との連動企画らしい。メンツがほとんど重なっている。
小倉沙耶って女性は「鉄道アーティスト」だそうだ。
ごめん、鉄っちゃんじゃないので知らなかった。m(_ _)m
あとの人は1部、2部ともとりあえず知ってる。
中でも今回、私が注目というか、興味を持っているのが福島康和という人。
皆さんは彼のことを知っているだろうか。
私も知らない。(^^;
しかし、彼の書いた本なら知っている。
この人は随分昔から関西のラーメン関係の雑誌やテレビの企画に顔を出している。
『関西Walker』2010年19号では、彼のことを
無添加命のラーメンコメンテーター 福島康和氏 50歳。自らラーメン本を出版するほどのラーメンマニア。酒もたばこものまず、ひたすらラーメンのおいしさを見極めるストイックな姿勢は、「ラーメンソムリエ」と称されることも。 |
と紹介している。
ググってトップに出てくるテレビ大阪「ハイヒールの関西グルメアワード2008」での紹介文はこうだ。
年間1200食のラーメンを食べたラーメン博士。またの名をラーメンソムリエ。人気ラーメン本を続々出版中。うまいラーメンを出す店を3秒で見抜く、その○秘テクを披露! |
年間1200食!? すげえなあ。
1日3~4杯か。それが毎日。
ほんまか。関西にそんなにラーメン屋あるんか……。
凄い。
いやまあ、それはいい。
これに限らず福島氏を紹介する時に必ず登場する「ラーメン本を出版」という話。
テレビ大阪の方の紹介では「続々出版中」とまで書いている。
ここで引っかかる人も多いかもしれない。
ラーメン本自体さほど多く出版されていない関西の現状を考えれば、これを「全米が泣いた」的な大げさの装飾語とあっさりスルーすべきかもしれない。
しかし、その(2008年の)数年前、彼は本当に「ラーメン本を続々出版」していた。「人気ラーメン本」だったかどうかは別として。
彼は2000~2002年の3年間にわたり年に1度ラーメン本を出版していた(『伝説のラーメン』『感激のラーメン』『最強のラーメン』。これ以前にも『ラーメンポッポッ200杯』というのを1998年に単著で出している)。
ラーメン業界は移り変わりが激しい。当然、ラーメン本の賞味期限も非常に短い。だから現在、彼の本を読んだことがある人はもう随分少なくなっているんじゃないだろうか。
いいきっかけ(?)だから、そういう人のためにこの3冊の本について書いておきたい。
前述のとおり、その3冊とは『伝説のラーメン』『感激のラーメン』『最強のラーメン』という。それぞれ2000/11/20、2001/10/01、2003/01/11の発行となっていてそれ以降は出ていないと思う。
右奥から『伝説のラーメン』(2000/11/20)
『感激のラーメン』(2001/10/01)
『最強のラーメン』(2003/01/11)
これらの本は非常にいい要素とかなりガッカリな要素が混在しており、なかなか評価に困る、個性的な出来になっている。
まあ、今とは違ってネットもさほど発達しておらず、まだまだ「足」での情報収集・取材がものをいったこの時代に、しかも個人でこれらの本を出してしまうというのは大変なことだったと思う。それも3冊も。4冊目以降が出ていないということはさほど儲からなかったのだろうし、とすればこの本の出版は個人的情熱に負うところが大きかったのだろう。その意味では素直に凄いと思う。
最初の2冊は「直販商品」となっている。事情は解らないが、あるいはほとんどスポンサーなどの買い取りだったりしたのだろうか
また、かなり早い時期に純情屋や一信を紹介していたことも、私自身は評価している。
また、店紹介の記事とは別の、特集記事にもいいものがあった。
それぞれどういう特集が組まれたかというと、
最初の『伝説のラーメン』は初号らしく地味。
・いろんな人に聞くうまい店アンケート。
・横浜ラーメン博物館の紹介。
・お取り寄せラーメン。
・付録:ラーメン採点ページ
2号目の『感激のラーメン』は、
・アンケート。
・「ラーメン店を開業したいと考えている人に!」独立開業シミュレーション。
・巻末付録:ラーメンカード。ミシン目で切り取れる、ショップカードみたいなもの。「重たい本を持って行かなくても、もう大丈夫!」ということで、本の分厚さの40%ほどを割いている。
3号目の『最強のラーメン』は、
・「小宇宙それが器」ラーメンの丼あれこれ。
・「有名店の舞台裏」
●とっかり(製麺を中心に麺工場の写真多数、茹で行程も)
●本黒門ら~めん(製麺、スープ作り、チャーシューの仕込みなどを密着)
●来来亭(社員教育)
・「つけ麺の魅力はやっぱり麺」(各店のつけ麺の紹介)
・付録:ラーメン採点ページ
正直、最初の2冊(『伝説のラーメン』『感激のラーメン』)の特集はまったく面白くない。しかし3冊目の『最強のラーメン』(2002年発行)誌上で行われた特集はどれも充実したいいものだった。ラーメンの丼に注目したのも面白い。
7ページにわたる丼特集
また、1970年創業の老舗とっかりの店主、鷲見氏の製麺作業を公開したのも凄い。2000年代以降に登場した「自家製麺」派の若手ラーメン店主たちから今でも尊敬を集める鷲見氏だが、その製麺行程をこれだけ詳細に紹介したのは凄い。だいたい、そんな需要ないからね。(^O^) 業界人は別として。これは2002年のことだもの。今ならまだわからないでもない。ちょっとしたラーメン好きですら加水率がどうとかいう話くらいは聞きかじっている。しかしこの時代は大阪にはまだ「麺」ムーブメントは来ていない。(とはいえすでに麺ブームの兆しはあった。火付け役となった秀次郎は2001/08に創業している)
頑固オヤジがおれた ── 。「とっかり本店」鷲見秀法店主
こんなにたくさんの製麺機の写真を見て喜ぶ読者が当時どれだけいたのだろうか。(^O^) (この見開きの手前にさらにもう2ページある)
さらに麺茹で行程(下段赤枠内)も追っているということは、福島氏が麺は茹でまで含めて非常に大切な行程であるということをちゃんとわかっている証拠だろう。
この特集を2002年の段階でやったのが凄い。
そしてこの時点ですでにつけ麺を特集している。
紹介されていたのはあじゅち屋、本黒門ら~めん、純情屋、大勝軒、ほんまの老麺屋。今となっては「どうしてこの店が、つけ麺で?」という店もあるが、それだけまだタマ数がなかったということで、その先進の気質が伺える。
……と、ここまでは非常にいい要素。しかし前述のように、これらの本にはかなりガッカリな要素もある。
3冊も出したのは凄いと書いたが、こういう本を作るのに一番大切なのはもちろんお金。つまりスポンサー。こういう本だからほとんどのスポンサーは必然的にラーメン関連業種となるわけで(だって、ラーメンに興味がある人が読むんだもんね)、当然、そのスポンサーへの配慮というのは必要になってくる。
これはどの本でも当然抱える問題で、そのあたりの解決の仕方が、その本の質を決める大きな要因になる。
今時の本なら広告枠ももう少しうまく滑り込ませるのだろうけれど(「PR」とつけたり)、これら3冊は普通の編集記事の中にそのまんま入れ込んでしまっていて、その客観性を疑わせてくれる。
また『伝説のラーメン』『感激のラーメン』の巻頭で特集されたアンケートも、あまりに集計数が少ないため数票で上位に食い込めてしまい、スポンサーの組織票がそのまんま反映されてしまっている。(例えば熊取にある一代元南大阪店[現麺虎]が大阪5位とか、どんたく摂津店が1位とか、京都は来来亭長岡京店が1位とか、いくらなんでもそれはないでしょ。(この3店はこの本に広告を出している) いや、嘘をついているとは思ってなくて、むしろ正直すぎるだろうと。その程度の組織票に影響される程度のアンケートなら載せない方がましだ。
こういうことをすると、普通の記事でも福島氏が本当に薦めたいと思って書いているのかどうかが全くわからなくなる。福島氏の本はどれもこの部分が非常に曖昧になっていて、正直かなり苛立たしい。(例えばさっきのアンケートの大阪3位は純情屋だが、客観的に見てそれは絶対ありえない。(^O^) 1度純情屋の大将に聞いたことがあるが、これに対してカネを出したことはないそうだ。……でも疑っちゃうよね(^O^) )
発売していた当時も、結構うさんくさい選店だなあと思ってた記憶がある。「厳選」なんていわれても信用できるかよ、と。(^O^)
ただ3冊目の『最強のラーメン』は広告がほとんどなく(来来亭のみ)そのせいか選店もなかなか面白くなっており(一応、選店基準は『伝説のラーメン』『感激のラーメン』のアンケートの票を1pt、ラーメン店主がウチ以外にもう1店と推薦した票を3ptとして上位100軒を選んだという。前例から考えてどこまで信頼できるかはよくわからないが)、また上述のように特集も面白い、「名作」と呼べるものに仕上がっていたと思う。
4冊目以降もこういう感じで出ていれば面白いことになったかもしれないと思うけれど、本を面白くしたのが「広告が少ない」からだとしても、おそらくそれがまた短命の理由にもなったのだろう。世の中って難しい。
使ってる写真は結構いい方かな。結構ばらつきがあるけど。
毎年、適度に使い回しもしている。
……という感じ。
まあ全体としてはいいも悪いもあって、この3部作は情熱と打算と妥協が交錯する、なんとも「人間的」な作品だったというべきかもしれない。
なお、紹介している店舗数は『伝説のラーメン』102店、『感激のラーメン』150店、『最強のラーメン』100店。
このあたりは時代を感じさせるね。
#ちなみに最近出た同判型の『噂のラーメン 2011 関西版』に掲載されている店舗数は296店。
この3部作以外の福島氏のことは正直よく知らない。
ただ、PAPUA氏などに比べればかなり胡散臭い匂いがプンプンしてくることは確かだ。(あのルックスだしねえ。(^^; )
とはいえしかし、今のところ関西でラーメン情報で食べている人はこの人しかいないと思う。一番有名なPAPUA氏だって本業は別にある。
なので今回、福島氏がどのようなことをしゃべってどのような店を紹介するのか興味深い。
たまにテレビで見ることもあるけど、時間も短いしそういう時はラーメンそのものが主役だから、なかなかわからないんだ。
この番組は第1部だけで1時間もあるのだし、どちらかといえばテレビよりはラジオ的なゆったりしっかりしたノリなんだろうと思う。
ただ、この番組も『関西Walker』がカネを出している番組なわけだし、『関西Walker』が毎年年末に出している『ラーメンWalker』はネット広告「グルメWalker」のユーザー企業ばかり掲載してたりするような結構あからさまな雑誌だし……というわけで、まあ雑誌が広告で成り立っている以上は当然の制約があるとはいえ、その中で、現在の福島氏はどういうポジションを取っている人なのか、非常に楽しみに聞こうと思っている。
3冊目の『伝説のラーメン』(2003/01/11発行だから実質は2002年)には老舗に混じってその後大阪のラーメン界を盛り上げるたくさんの店が登場している。
洛二神、龍旗信、金久右衛門、麺や輝、五大力、天神旗、秀一らあめん、一信……。
ラインナップ含めても、節目になる号だったような気がするんだが、節目で折れるとは。
_/ ̄|○⌒
これが3部作最後となった『伝説のラーメン』のちょっと切ないラストページ。これ以降出ていない。
「左のURL」は既に消滅している
※私は『伝説のラーメン』以降、このシリーズの続編が出たことを確認していない(一応ネットでは調べてみたが)。なのでこれを「3部作」と呼んできたのだけれど、それは私が把握していないだけかもしれない。ひょっとしたら本当に「続々出版中」なのかもしれず、ひょっとしたら今頃「10部作」が完成しているのかもしれない。もしもそうならかなり失礼なことなので、情報があれば教えてください。そうならその旨を書き加えて必要なところは修正します。m(_ _)m
で、もしも『伝説のラーメン』以降の本を持っている人で、もし不要だったらくれると嬉しい。(^^;
突然食いたくなったものリスト:
- ミルメーク・ココア
本日のBGM:
かえせ!太陽を /麻里圭子
えっと、映像の方は何のこっちゃよくわかりません。(^^;
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