私は知らなかったんだけどもシートンは『シートン動物記』は書いてないんだってね。
……と言うとちょっと誤解を生むか。
シートンの著作に「動物記」というものはなく、翻訳家・内山賢次による邦訳本が初出となる(ファーブルの「昆虫記」に合わせている)。 |
ということだそうだ。こういう事情だから、こういうこと↓になっている。
それから現在まで複数の翻訳者・出版社が刊行に関与し、作品の構成・選択は各書籍によって全く異なっている。収録の邦題名が異なっていることも珍しくない。 |
つまり『シートン動物記』という本があったとしても、そこに収録されている話は「各書籍によって全く異なっている」のだと。
小林清之介訳の『シートン動物記』の訳者まえがきにも、
日本では、シートンの著作のなかから、動物に関するものだけを一括して『動物記』と呼んでいます。これは原著者のつけた名ではないのですが、覚えやすい、便利な名なので、今ではシートンの作品の代名詞みたいになっています。 |
と書かれている。
へえええ。
シランカッタよ。
……という豆知識(^^)をご紹介しておいて。
『シートン動物記』には「銀の星 ─ あるカラスの話 ─ 」(訳者によってタイトルも違う。これは小林清之介訳)という話があって、「銀の星」と名付けた賢いカラスの話を書いている。
#ただ、この物語自体は彼がカラスについての見聞やエピソードを集めて、「銀の星」というカラスに仮託したものであって、全てが「銀の星」の話ではない。
そこにカラスがお互いのコミュニケーションに使っている鳴き声が譜面で紹介されている。
これが興味深い。
「銀の星」は群れのリーダーで、必要な時には鳴き声で仲間に指示を与える。
例えば、こう。
「異常なし。まっすぐにやって来い」
これを先頭から後方へと伝言ゲームのように伝えていく。
ところが彼らの姿をじっと見ているシートンに気づいた時、「銀の星」は
「気をつけろ!」
と叫んで、高いところに舞い上がる。仲間もそれに続く。
カタカナで音を書いたが、実際、原文でも「Caw」と表記されている。
向こう(トロント)でもカラスはカー(カウ)と鳴くんだねえ。
翌日、シートンは今度は彼らが近づいた時にステッキを高く差し上げてみた。
すると「銀の星」は今度は
「危険だ!」
と叫んで、昨日より高く舞い上がった。
しかしそれが鉄砲でないことがわかると落ち着きを取り戻し、悠々と飛び去っていった。
次の日にシートンは鉄砲を持っていった。それに気づいた「銀の星」は
「大危険だ。鉄砲だぞ!」
と気ぜわしく叫ぶ。仲間も叫び、一斉に高く舞い上がり、鉄砲の弾が届かないくらいのところまで上昇し飛び去っていった。
ある日には彼らの進路にある木の枝にタカがいることがあった。それに気づいた「銀の星」は
「タカだ、タカだぞ!」
と叫んで後続の仲間を静止し、全部もカラスが集まるまで待ち、ひとかたまりになって進行を再開した。スイミーみたいだねえ。(^O^)
ところが今度はまた鉄砲を手にした男が現れる。「銀の星」はシートンが鉄砲を持っていった時と同じく
「大危険だぞ! 鉄砲だ、鉄砲だ。全速力で散らばれーっ!」
と叫ぶ。群れは散り散りになって遥か高くまで舞い上がった。
観察を続けるうち、シートンは「銀の星」のたくさんの言葉を覚えることができた。
例えば
「まわれ右!」
これはタカの時の言葉【危険を意味する】と鉄砲の時の言葉【退却】が組み合わさっている。
他には、
「こんにちは!」
これは遠くにいる仲間に呼びかける挨拶だ。
他にも、
「気をつけ!」
これは↑の「気をつけろ!」ではなく、軍隊で使う「気をつけ!」だという。
この命令を聞いてカラスがどういう姿勢を取るのかわからないけど、シートンはそう言っている。
あるいはこれは、求愛の声だという。
「恋をしている」
トリルを使ってとっても難しい。(^^;
#シートン先生、譜割りが何かヘン……。
いやあ、とても楽しいじゃないか。
これが日本のカラスに通じるかどうかは全然わからないけどねー。
このブログによると、
ジョギング中、橋の欄干に止まっていた一羽のカラスのそばで鳴き真似したら、なんということか、横っ飛びで寄ってきたことがある。 |
ということだから、日本のカラスにもまんざら通じないでもないようだ。(゚Д゚)
誰か初音ミクあたりで、ひとつ。
カラスといえば、こんなもん見つけてもうた。
ゴミ置き場のカラス撃退ネット
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(^O^)
カラスの嫌がるマイナスイオンですよ。
マイナスイオンにはそんな性質まであったとは。(^^;;;;;
道理で滝の周りにはカラスがいないはずだね。
カラスの死体が見つからないくらい確からしい。(^O^)
突然食いたくなったものリスト:
- 唐揚げ丼
本日のBGM:
夕立 /井上陽水
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