以前このブログで触れた「肉吸いうどん」(^O^)(「肉吸いが東京で凄い展開に」)。
この「大阪串かつ」の店が最近とうとう大阪にも進出しだしたようで、2017/10月現在で大阪には5店舗存在している。天王寺で見つけたので入ってみた。

あべのルシアス店……だと思う
※調べてみるとこのチェーンを展開しているのはPIZZA-LAを展開しているグループのようだ。
結論から書くと、串カツの味は悪くなかった。うん、普通においしかった。
考えてみれば串カツは普通に作っていればたいていうまいわけだし、しかもここはソースの味がいい。なので何の問題もなく串カツを味わうことができた。
結構安いし。
それは本当によかった。(^O^)

ポテサラがあるところが憎たらしい(^O^)
串カツそのものは問題なかったのだけど、残念な点が2つあった。
1つは、やっぱりネーミング。

「牛肉吸い」「肉吸いうどん」
念のために書いておくと、「肉吸い」とは大阪の千とせという店の名物メニューで、肉うどんのうどん抜きのことをいう。肉うどんの「台抜き」やね。
なので肉吸いにうどんが入れば、それは単なる肉うどんだ。「肉吸いうどん」というネーミングは「牛皿丼」みたいなもんで、大阪の人間からすれば、ちゃんちゃらおかしい。(^O^)
それに大阪では単に「肉」といえば牛肉を指すので、肉うどんにはもちろん牛肉が入っている。なので「牛肉うどん」も関西では不自然(あえて「牛」という必要がない)。
大阪の事情や「肉吸い」の成り立ちをよく知らない関東ならまだしも、大阪に進出するのに「肉吸いうどん」「牛肉吸い」という名前のまま持ち込んでどうするよ。(>_<)
もう1つの残念ポイントは、キャベツ。
サイトではこんな感じでアピールしている。

店では最初にこれを持ってきてくれる。

最初に出てくる
「こちらは二度漬け禁止のソースとサービスのキャベツでございます」
と言って机に並べてくれる。
この量(2人で行って、これ)。しかもしなしなでシャキシャキ感皆無……。prz
串カツにはキャベツはつきものだが、これは何のためにあるのか。
まずは揚げ物の口直し。これが直接の目的のはず。
口直しのキャベツがこの量というのは、大阪ではちょっと考えられない。
そしてキャベツの役割はもう1つあって、まあこれは誰かの工夫から始まったことだと思うが、ソースを掬うスプーンの代わりだ。
「ソースの二度漬け禁止」というフレーズは今や串カツの記号となってしまい、「大阪の串カツといえば『ソース二度漬け禁止』」、そういう形で広がってしまった。
ここまで記号として流通してしまうと、実はそんな決まりがない串カツ屋も多いということを、関西以外の人は知らないかもしれない。
3つくらいに仕切られた皿にとんかつソース、ポン酢や梅肉、塩が盛られていてお好きにつけてお召し上がり下さいという串カツ屋も大阪には普通にある。しかしこういうスタイルの店は大阪っぽくない(?)ってことになって、あまり広がらないのだろう。
まあそれはいい。
串カツ屋でソースの二度漬けが禁止されているのは衛生面での配慮だ。ウスターソースにボチャ漬けするスタイルの場合、ソースの器は隣にいる人と共用することになる。また大量のウスターソースを使用するので多くの場合は店で使い回される。その場合でもやはり2度漬けをして唾液が混入するのはよろしくない。「二度漬け禁止」は合理的な決まり事だ。
とはいえ、1度目につけたソースが足りない場合もある。
その場合どうするか。
ここでキャベツを使う。
口をつけてないキャベツでソースを掬って串カツにかけるわけだ。
なのでキャベツはシャキシャキの方がいいし、量もそれなりにたくさんあるのが普通。大阪の多くの店ではキャベツがなくなると黙って足してくれる。キャベツがないために店員のスキを見て二度漬けする客が出ても困るわけで。
それを「でんがな」はわかっていない。
キャベツは単なる付け合わせだと思っているのだろう。「二度漬け禁止」を謳ってるくせに、ちょろっとしか出さないのだ。
キャベツといい「肉吸いうどん」みたいなネーミングといい、「本場」大阪に出店するわりにはまったく勉強した形跡が見られないところが、どうにも残念だったポイント。
繰り返すがこの店、味は悪くないし値段も安かった。
なのでそんなに毛嫌いしてやる必要もないだろうと思う。
なお、同じく東京発祥の「大阪名物伝統の味 串カツ田中」にはまだ行ってない。
ここは以前ウェブサイトで
「大阪では、串カツは一般的な家庭料理で、各家庭によって味が違います」
なんて大胆なことを書いていたチェーン店だ(現在は「串カツは、大阪の伝統的なB級グルメで、それぞれの家庭や店が秘伝の味を守ってきました」と変更されている)。
ひょっとしたら関東の人はこれで納得したかもしれないが、串カツは種類が多く仕込みが大変で、しかも大量のラードとウスターソースを使う。後片付づけのことまで考えたらこれが家庭でそう簡単にできる料理であるはずがないことはすぐに想像できるだろう。
串カツは昔から店で食べるものだったし、家族でというよりは仕事帰りや仕事のない人(^^;;がお酒を片手に食べる、大人の食べ物だった。
今では完全に観光地化して、観光客目当ての、家族で入っても安心の、やたら大きな串カツ店ばかりが目立つようになった新世界界隈も、ほんの10年ほど前はまだまだかなり怪しい空気の空間だった。
串カツが「大阪伝統の家庭料理」というのは、それを扱う店による紹介としてはずいぶん乱暴だと思う。
串カツ田中も大阪に進出してきていて、近所にも1つある。いつもガラガラだから早く行かないとと思ってるんだけど。
今回の「でんがな」と同様、「田中」も串カツの味自体はそんなに悪くないと想像している。
しかしせっかく大阪に来るのだから、「東京ならでは」のアレンジメニューがあってもいいと思う。
ホッピーなんか、大阪ではさほど多くないのでそれはいいよね。
突然食いたくなったものリスト:
- 串カツ
本日のBGM:
Halloween /HELLOWEEN
このエントリはハロウィンの日に書いた。なのでハロウィンにふさわしく、ハロウィンの名曲、「ハロウィン」。この曲が出た頃は、日本ではハロウィンという行事はほとんど知られておらず、このバンド名が辛うじてメディアに乗る程度だった。……ちなみに同じ意味のHallow’s Eveというバンドもあったが、こちらはドマイナーのまま終わってしまった。(^^;
さてカイ・ハンセン、マイケル・キスクがいた頃の曲。13分あるこの曲のPVは、オンエアされやすいためにかなり乱暴に寸断されてしまった(上のやつ)。YouTubeにはフルバージョンのも上がってた(下のやつ)ので、その乱暴ぶりも堪能してほしい。(^O^)
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