お好み焼きって色々あるけど、その基本になるキャベツの切り方や生地の固さからして店によって全然違うのよね。
まあいつもの店がほとんどながら、ソースを塗る前のキャベツが見える写真がいくつかあったので並べてみよう。解説はできないけどね。
ここで紹介するのは道とん堀、オモニ、美佳味、大門のもの。
道とん堀はこういう名前だけれど、本部は東京都福生市にあるお好み焼きチェーン店。
3年前(2007年)に大阪に進出してきたという話は以前、「素敵な偶然」というエントリで書いた。
名前は道とん堀だけど、実はこの会社、大阪の会社ではないのだ。本社は東京都福生市にある。どうしてこんな名前をつけたのかって? 知らないよそんなこと。 このチェーン店が本当に道頓堀に「大阪本店」を構えたのは3年前のこと。(記事1|記事2) 現在、大阪府下に道とん堀は4店舗ある。そして大阪市内ということになると「大阪本店」1店舗しかない。(↑の「記事1」では「3年後[=2010年]には関西圏で150店舗まで増やす計画」とあるけど、大丈夫かな?) |
公式サイトの記述(2010/10/02現在)によると、全国の店舗数は290。大阪府下の店舗は今でも4店舗のまま。
話のついでだからここでちょっと寄り道して、2010年には関西圏で150店舗までという計画を語った道とん堀の2010年10月現在の関西圏での店舗数を見てみよう。まぁ大きなお世話ではあるのだけれどもね。(^O^)
で、あなた、「関西」って、どこのことを指すのよ?
道とん堀側のコメントの中でも「関西圏」という言葉が具体的にどこを指すのかは示されていないので推測するしかない。事業計画上は明確なのだろうが。
で、「Wikipedia – 関西」を見てみる。「関西」の概念は「近代・現代」ではこうなっているそうだ。
明治維新以降は江戸時代以前と比べて「関西」の指す範囲は固定化され、大阪を中心に見据えた京阪神とその周辺地域を指すことがほとんどとなった。しかし、やはり現在も場面によって「関西」の指す範囲は、京阪神その他の近畿地方の主要部のみを指す場合、近畿地方2府4県全域を指す場合、三重県・福井県・徳島県を含めた広域な近畿地方を指す場合、西日本の広い地域を指す場合(例として、料理の味付けでの「関西風」)などもある。 |
ふむ。
これを都道府県という枠組みで見れば……
- 「京阪神とその周辺地域」、
- 「京阪神その他の近畿地方の主要部のみ」のいずれも、都道府県という枠組みなら京都府・大阪府・兵庫県の3府県だろう。
- 「近畿地方2府4県全域を指す場合」であれば、京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県。
- 「三重県・福井県・徳島県を含めた広域な近畿地方を指す場合」なら京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県・福井県・徳島県の2府7県。
- 「西日本の広い地域を指す場合」となれば……、うーん、沖縄まで含めた西日本ということになるのだろうか。もしそうなら京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県・三重県・福井県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の2府23県。
となる。5.はさすがに強引だなあ。(^O^)
とすると現在の道とん堀の店舗数は、1.2.の場合を考えると、店舗数は京都府1+大阪府4+兵庫県3=8店舗となる。
同じように数えてみると、3.なら15店舗。4.なら27店舗。5.なら51店舗。
なるほど。うむ。
閑話休題。
さて、本題はここのお好み焼き。

これを混ぜて
キャベツはかなり細かく切っている。生地はサクサク系。
この店は客が自分で焼くスタイルなので、ひっくり返しやすいサクサク系の生地の方が失敗が少なくていいのだろう。
写真はスジ牛(¥787)。この店は2010年にもなって未だに外税方式だ。福生では今でもそうなのか? ドンと「750円」とあって、横にカッコつきで「税込787円」って書いてる。お好み焼屋の支払いで1円玉が出てくるなんて。(^^;
この店は初めて行った。夏の暑い時だったのだが席の上に備え付けられている扇風機が壊れてたり、人数が少ないのか店員があまりホールにおらず水のおかわりかがなかなかもらえなかったり、ちょっと辛かった。
味はまあ、普通。
市街から離れたら別かもしれないけども、この大阪ミナミのど真ん中の激戦区で勝負するには値段も味も、まあ人を誘って行くほどの特徴はないなあ。うん。
正直、こういうのって辛いよね。だって、誰かと一緒にいる時にお好み焼きでも食べようかってことになるとしよう。で、この大激戦区の中で「あそこに行こうよ」と言うとして、「へえ、どんな店?」って聞かれるよね。ここで何か特徴がね、まあそれは味や値段みたいな直接的なものじゃなくても、接客でもいいし店の雰囲気でもいいし、店長がどうとかタレントの誰々がとか、まあ何かほしいじゃないの。食は体験だからさ、まずはワクワクしたいのだ。
ところがこの店にはそれがほとんどないんだよね。
いや、私が最初に行った時はあったのよ。
「東京のチェーン店だけど道とん堀って名前で、全国には300店舗近くある大きなお好み焼きチェーン。これがこの激戦区のど真ん中に満を持して飛び込んできたわけで、大阪じゃないのに「道とん堀」を名乗ってる店のお手並み、ちょっと拝見させてもらいましょうよ」みたいなワクワク感というか、そういうのがあった。
でもそれって初回のみだからなあ。
で、今はまあ、その、「普通」ですわ。
・食べログ「道とん堀 大阪本店」
鶴橋にある、大阪を代表する有名なお好み焼屋。
ミナミの宗右衛門町(ひっかけ橋=戎橋のすぐ北側)にも確か娘さんだったかがやっている店があるから、アクセスがいい人はまずそちらに行ってもいいかも。宗右衛門町店は↑の道とん堀にも近い。

これはもう焼いてある
オモニのお好み焼きはフワフワ系。キャベツは千切り。
これは高度な技術とデカいコテが要るので焼いて持ってきてくれる。
このメニューは……何だったかな。(^^;
スジ肉ポッカ……いや、坂田利夫スペシャルか。忘れた。(^^; どちらもオススメ。
テーブルにポットに入ったソースがあり、それを刷毛で塗る。マヨネーズはその横の箱にキュービーのお弁当用のミニサイズ小袋のやつが入ってる。これの角っこを少しだけ切って、ソースを塗った上からかけていく。最近はカップ焼きそばとかにもこういうマヨネーズがついてるよね。
いずれにせよここではマヨネーズはデフォルトではなく結構オプション扱い。
混んでる店なので、ゆっくりしたい人にはあまりオススメしません。
・食べログ「オモニ」
・食べログ「お好み オモニ 宗右衛門町店」
堺の老舗。(^O^) 「みかみ」と読む。
ここのお好み焼きのイメージとは、街角でおばちゃんがやってる持ち帰り専門の店で1枚2~300円くらいで売ってるやつ。この店はそれを店内で食べられるようにしたという感じ。
実際、値段も豚玉やイカ玉など普通のお好み焼きが390円とかなり安い。
この値段もあって、ここもかなりの繁盛店。1階入口正面で女将がたくさんの若いバイトの子を相手にせわしなく指示を出してるが印象的。(^O^) 二階には座敷もあるのに、それでも昼飯、晩飯時には普通に入店待ちができる。

焼き上がりがオモニとは全く違うタイプ。
スーパー前の屋台のテイクアウトとかこんな感じよね
キャベツは道とん堀に比べれば少し大きめのざく切り。生地はかなりサクサクしていて、お好み焼き自体がさほど大きくない。
誰もがどこかで食べたことのある、懐かしいお好み焼き。やっぱり390円は安いよねえ。これでも随分値上がりしたんだよ。しかしそれでもまだ2人で行ってお好み焼き2枚に焼きそば(¥390、大だと¥500)で1000円ちょっとという安さが保たれている。これが繁盛の理由ね。お好み焼きそのものの味は、まあ普通っす。(^O^)
泉州の下町の味という感じかな。ソースウマいよ。
ただ、簡単に「サクサク系」と言っても、以前「オモニと大門、甲乙つけ難し」の一番下のところで紹介したような絶望的にダメな生地ではなく、サクサクしながらも独特のフワフワ感の残る(難しいなあ(^^; )生地になっていて、このバランスがなかなか絶妙。このあたりが人気を支えているのだと思う。
一応は「自分で焼く」というオプションも選べたはずだが、ここではなぜか?自分で焼く人はほとんどおらず、焼いたものを目の前の鉄板に置いてもらうのが当たり前になっている。
で、注文の品を目の前に持ってきてくれた時に「マヨネーズ、ケチャップ、カラシはどうしますか?」と聞かれる。つまりこの3つの調味料は机の上には置かれておらず、従業員がお好み焼きと一緒に持ってくるというわけ。
#ソース、青のり、削り粉は置かれている。
↑の写真は豚玉(¥390)に「全部。マヨネーズ多めで」と頼んだもの。
ここはこの値段というのが結構な売りなので、まず味を基準にする人は来なくていいと思う。(^O^)
ただ、3000円以上する(前は3300円だったけど今はもうちょっと上がってるんじゃないかな)デラックスや、そこまでいかなくても930円(これも前)のえびスペシャルとか、レモンを搾って食べるメニューがあり、これはむしろこういうサクサク(&少しフワフワ)な生地にぴったり合っていて、結構面白いと思う。
この安さの店で3000円以上するメニューってどんなんだろう!?って、楽しみになるよね。 (^O^)
そしてやっぱり大門。\(^O^)/

半分生地を焼いて具を乗せて、また生地を乗せたところ
ここもキャベツは千切り。生地はフワフワ系。山芋などいろんなものが入ってて、オモニより少し重い感じがする。
ここはソース、マヨネーズに至るまですべて店側が目の前で調理してくれる。この店はマヨネーズはデフォ。ちなみにソースは和歌山の大陽ソースこれがまたウマい。
オモニも大門も千切りフワフワ系で、バカみたいに沢山のアレンジメニューがあるところも似てるなあ。
写真のメニューは元祖河内焼。これは大門の第1号メニューだとか。多分1500円か2000円くらい。まあそういう量なので。
大門は滝谷という辺境地にあり(^O^)、しかも開いてる時間がかなり特殊(月~土の23:00~翌朝)ときてるので、まあこのエントリを見て行く人もいないだろうけど、行くとしたらとりあえずまず1枚目にネギ焼(¥1500)を頼み、食べながら次に何を食うか考えるといいよ(私はここのネギ焼きはやまもとより好きだ)。メニューはほんとに沢山あるので(^O^)何を食べるかみんなで考えるだけでも結構盛り上がるだろう。ただ初回は……じゃがまま(¥1500)あたりを頼むのがいいのではなかろうか。結構な量なのでこの2枚で3人がかりかな。
あと、お好み焼きの匂い(ショウガとかが主なのかなあ)が結構服に残るので、気になる人は匂いがついてもいい服装をしていくこと。
また、河内弁を怖く感じる人(^O^)とかは厳しいかも。でも本当はマスターも奥さんもとてもいい人なのだ。
なおここはこういう営業時間なのに酒をメインにしていない。だから無理に飲まなくてもあまりイヤな顔はされない。

酔っぱらいは始末が悪い
お好み焼きに限らずとにかくボリュームがあるので、もちろん残ったら包んでくれる。
1人で来る女性(スナックとかのママさんとかだとこういう時間になる)とかも珍しくなくて、そういう人はたいていその場である程度食べてあとはお土産に持って帰るというパターンが多い。
食べきれなかったお好み焼きを持って帰って翌日に温め直して食べるのが、これまたいいんだよねえ。
冷めて温め直してもおいしいお好み焼きって、特にフワフワ系だと難しいのよ。こういう時に大門のポテンシャルの高さを再認識するんだよなあ。
突然食いたくなったものリスト:
- 大門のじゃがまま
本日のBGM:
さようなら世界夫人よ /頭脳警察
これはカラオケにあるんだよなあ。
2 個のコメント
DATE: 10/03/2010 10:32:06 PM
ご質問なのですが、大門には駐車場があるのでしょうか?
何度か店の前は通ったことがあるのですが、未だ入ったことがないのです。
あの営業時間は、なかなか訪問が難しいです。
Author
DATE: 10/03/2010 11:13:12 PM
店の前に2台ほどおけるスペースがあります。埋まることも少ないので大丈夫ですよ。
営業時間はねえ。確かに。(^^;
一応店内には 午後9時~ と書かれていますが、だんだん開店時間遅くなってきています。w しかも23:00頃の開店すぐに入っても奥さんしかいないため、最初は奥さんが作れるもの(ネギ焼きなど)に限られます。マスターが訪れる24:00くらいからがこの店の本番です。(^O^)