関西マンホールサミット2015に行ってきた(4)

 他に、マンホールの蓋の拓本も展示されていた。


マンホール蓋拓本


 なかなか手間のかかる趣味だよこれは。(^O^)


インタビュー

 TBSのニュースになってたけど、多分他のメディアも取材してたと思う。

 当日、マンホール関係の本も販売されていた。
 Amazonへのアフィリエイトリンクを貼っておくので、興味を持った人はここから買ってくださいな。(^O^)
 
路上の芸術【復刻版】
 
厳選! デザインマンホール大図鑑
 
デザインマンホール100選―阿寒から波照間島へ旅歩き

 今回これを書くにあたって巡ったサイトで興味深かった話をご紹介。
 まず、日本グラウンドマンホール工業会のサイトから。
 

下水道用管渠施設の中で、唯一地上で目に触れることの出来る地下空間都市文明への入口がグラウンドマンホールです。その意味では「見える下水道」とも言えます。更にその設計における技術レベルの高さから、道路空間に架けられた「橋」とも考え、これを「路上の橋」とも呼んでいます。

 
 「下水道用管渠施設の中で、唯一地上で目に触れることの出来る地下空間都市文明への入口がグラウンドマンホールです」。カッコいい。(^O^)
 

市型模様、メーカー模様からデザインぶたへ

  昭和30年代に入って、大阪市や神戸市などは、独自の市型模様を定めて使用してきました。同じ頃、材質、構造などの開発に当った製造メーカーを中心に、独自の模様を考案し広めていったために、国内にJIS模様と市型模様、メーカー模様が混在して、昭和50年代の20年間使用されてきました。

  昭和60年代になり、当時の建設省公共下水道課建設専門官が、下水道事業のイメージアップと市民アピールのために、各市町村が独自のオリジナルデザインマンホールにすることを提唱したことから、デザイン化が進み始めました。

  昭和61年に『下水道マンホール蓋デザイン20選』が選出され、翌62年には「マンホールの表情」、平成元年に『路上の紋章』、平成5年に『グラウンドマンホールデザイン250選』が、いずれも建設省下水道部監修で発刊(水道産業新聞社)されたことなどもあって、全国事業体が競い合ってデザイン化を進めるようになりました。

 
 「昭和60年代になり、当時の建設省公共下水道課建設専門官が、下水道事業のイメージアップと市民アピールのために、各市町村が独自のオリジナルデザインマンホールにすることを提唱した」へええ。
 これだけデザインマンホールが増えたのは、国が推進したからなんだねえ。
 

1.なぜマンホールふたには丸形が多いのですか?

 四角なものは、開いた時にふたがマンホールの中に落ち込むことがあります。丸型なら中へ落ち込むことはありません。
 四角なものは中に入って工事がし易くしたい場合とか、中に収納される機器の形状からその方が便利な場合に使用されます。
 丸型は下水道に多く、ガス・電力・通信などには、作業に便利な形が採用されています。

 
 蓋が下に落ちないためというのは俗説だと聞いたことがあるが……。(^^;
 

15.災害時にはトイレになると聞きましたが・・・?

 地震などの災害時には水道・ガス・電気などのライフラインの復旧と合わせて、トイレの確保が一番求められます。下水道管路にマンホールが有れば、蓋を開けて、板などで足場を架けて、臨時のトイレに使用できます。 またトイレに適した小蓋が付いているマンホール蓋も開発されています。マンホールをトイレに使用する場合は、下水道を管理している当該市町村の許可を受けて下さい。

 
 これは凄く便利だよね。下水道に直接用を足すのだから非常に合理的だ。
 災害時にはマンホールの孔の上に小屋を設ければ、清潔に用を足せる。
 ただ、残念ながらこのマンホールの蓋を見たことはない。
 小学校など避難場所に設置されるのだろうね。
 

24.マンホールふたの設置状況は?
 下水道用が最も数が多いですが、その他に上水道用やガス用、NTT用、電力用などがあります。下水道用だけでも年間50万基近くが設置されていますが、その内訳は汚水用が約70%、合流用と雨水用が15%で、内訳は新設が8割、取替が2割程度です。

 
 「下水道用だけでも年間50万基近くが設置」というのは意外というか、多いねえ。メーカーが23社もあるのもわかる。
 
 「Wikipedia – マンホールの蓋」より。
 

かつてインドはマンホールの蓋の製造において世界でも優位を占め、他の国々で運営している多くの製造会社が倒産に追い込まれた。これは、その極端に低い労働賃金が重い製品を船で輸送するコストさえも下回っていたことによる。

 
 へえええ。
 
 当日、リレートークでも発表していた原田さんの「マンホール風土記」の「工場訪問記」より。
 

Q:受け枠にまでなかなか注意がいきませんが、そういう構造になってるんですね。材質的には昔と比べてどう違っているのですか。

A:グラウンドマンホールは鉄と銑鉄、それにカーボンとシリコンなどを混ぜたもので作っていますが、昔はねずみ鋳鉄といって顕微鏡で見ると黒鉛がねずみ状になっていました。今は球状黒鉛鋳鉄といって黒鉛が丸い玉のような形になるように加工されます。球状黒鉛鋳鉄の方が衝撃に強いので、車両の重みに耐えなければならないグラウンドマンホールにはその方が適していると言えます。重さも昔は80キロぐらいだったのが今は40キロくらいになっているんです。

 
 ああ、マンホール蓋の重量は材質の変化によって軽くなってきているのか。
 

Q:交通量の多いところとそうでないところとでは凹凸の深さに違いがありますか。

凹凸の深さは国の規定があります。国道など車両がよく通るところは6ミリ、一般の生活道路では4ミリです。前者はT25という規格で25トンの重みに耐えられるという意味、後者はT14という規格です。

 
 なるほど、デザインは同じでも場所によって厚さや凸凹の深さが違うのか。
 

マンホールのふたの絵なんですが、見ていると本当に地域の特色をうまく出しているなあと思うんですが、いったい誰がデザインしているんですか?

デザインはうちのようなグラウンドマンホールの製造会社がすることが多いです。ふたの凹凸はスリップ防止のためにあるので、それを前提にデザインしなければなりません。そういった実用性を考えると、デザイン専門の業者よりふたを作っている会社がデザインすることが合理的なんです。もっとも最近は一般公募というのも多いですが。奈良市の鹿ふたのデザインは、マンホール製造会社数社のコンペで決まりました。もしデザインが採用されれば、メーカーとしてはとても名誉なことです。

 
 当日、別のメーカーの人からはメーカーはデザインはやらない(自治体からこのデザインで、と来る)という話を聞いたような気がするんだが、勘違いしてたかもしれない。
 

駅前のふたなどはきれいに色付けされていて感心するんですが、グラウンドマンホールの色付けはどうやってするのですか。

セラミックス加工で色付けをします。樹脂系の塗料で色付けする事もありますが、セラミックスの方が色落ちしにくいし、滑り止めの効果も高いんです。こうした色付けの技術を「溶射」と言っていて、溶射を行う会社がまた別に存在します。

 
 「セラミックなんちゃら」って、これやね。(^^;


 当日いたゆるキャラ。(^^;
 多分かなりのレアキャラだろう。(^O^)

神戸市下水道河川部マスコットキャラクター「モグロー」と「もぐみ」


堺市上下水道局マスコットキャラクター「すいちゃん」


 そして当日もらったおみやげ。

堺市上下水道局の下敷きと神戸市のマンホールバッジ&コースター


 今回のマンホールサミットとは関係ないが、会場に常設で展示されていた阪神大震災の記録も衝撃的だった。

ひしゃげた側溝蓋


 最後に、関係先リンク。
下水道広報プラットホーム(GKP)
日本グラウンドマンホール工業会
マンホールマップ
駅からマンホール
みちくさ学会
マンホール風土記

 終わり。


突然食いたくなったものリスト:

  • スパゲッティ・ナポリタン
  • エクレア

本日のBGM:
Rage of the Winter /RHAPSODY





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